エンフィールドの一年


8月21日
くもり


記帳者:クレア・コーレイン


兄さま、今回だけは感謝いたします。

今日もまた、兄さまの化粧道具を見つけてしまいました。
一体、いつの間に部屋の中に持ち込むんでしょうか?
いつも通り、兄さまに黙って外のゴミ捨て場に持っていこうとしました。
ここのところ、ゴミの日でもないのにすぐに化粧道具がなくなるので。


アレフの日記より抜粋

どうも、クレアが来てからプレゼントに不自由しなくなった。
1週間間隔でアルベルトの化粧道具を捨てているということを知っちまったからなあ。
さて、今週はどんな化粧道具が落ちてるかな?


早速外に持っていこうとドアを開けようとした瞬間、私の頭にすごい衝撃が走りました。
状況からして、何かが頭に当たったようでした。
10分ぐらい気絶していたと思います。
気がつくと、化粧道具がありませんでした。
誰かが持っていったんでしょうか?
その時は考えてもしかたがなかったので、そのまま夕食の材料を購入しに、夜鳴鳥雑貨店へと向かいました。


夜鳴鳥雑貨店に着くと、主人公(2)様がおりました。
どうやら、いつものように缶詰をお買いになられるようでした。
その時、私は「主人公(2)様を食事に招待してさしあげましょうか?」と前々から思っていたので、
主人公(2)様に声をかけました。

主人公(2)様はすぐに私に気がつきましたが、なんだかひどく驚かれたようでした。

「あ、え、えーと、クレア……だよね?」

どうやら、すぐに私だとわからなかったようです。
私だということと、なぜすぐに気がつかなかったのかと伺いました。そうすると、

「いや、めすらしく化粧をつけているんだね。すぐにクレアだとはわからなかったよ。」

とおっしゃりました。


私はすぐには信じられませんでした。
なぜなら、私は(毎日じゃないにしても)それほど化粧をすることはありませんから。
あわてて、そのあたりにあった鏡を見ると、本当に化粧をしていました。

この時、先ほど私の頭に当たったのが何か、、
化粧道具を持っていったのと私に化粧を施したのが誰かを確信しました。

そう考えたとき、私は兄さまを恨みました。
主人公(2)様にこのような私を見られるなんて……と。
しかし、そう考えていた私に、主人公(2)様は予想を超えたお言葉を述べていただきました。


「いつものクレアもいいけど、化粧をしているクレアも素敵だよ。」

私、そのお言葉を聞いて、思わず主人公(2)様に抱きついてしまいました。
お店に入ってきた兄さまに見つかって主人公(2)様が問いつめられるまで、
私はうれしさのあまり離れることができませんでした。
もちろん、その後兄さまにいろいろなことを問いつめるのを忘れませんでしたが。

あ……今、主人公(2)様の体つきを思い出してしまいました。
たぶん、今、この日記を書いている私は、抱きついているときのように真っ赤になっているでしょう。


 後書き

 −BACK−

 −HOME−