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悠久幻想曲
―――陰の声、過去の思い出―――

 
クライマックス


 そして、街はいつもの様子を取り戻していた。
 俺はと言うと、街の遊歩道を歩いていた。隣にいるのはシーラだ。

「でも、もう、ここにいるんだよね、ウェインくんは」

「ああ、もう俺はここの住民だもの」

 俺は空を見上げながら言う。

「あ、それと今度さ、ピアノ教えてくれないか。俺、ちっとばっかし興味あったんだ」

「いいわよ。家に来てくれればいつだって教えてあげる。少しは上達した?」

「ダメ。右手と左手が一緒に動くんだもの。全然くせが抜けないや」

「それは…なれるまでやるしかないわ。私だって最初はできなかったもの」

「そっか。それじゃ、つきっきりでコーチが必要だな。今度、泊まり込みで教えてくれない?」

「え…ええっ!」

 顔を赤らめて、驚くシーラ。
 うーむ、やっぱり無理そうだ。

「ダメ…?」

「え…ええっと…その……いいわよ」

「いぃぃやったああっ!!」

 俺は跳びはねて喜ぶ。
「シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで練習★ シーラと二人っきりで…」

「ああ…そんなに言わないで…恥ずかしい…」

 俺の様子に照れたのか、顔をますます赤くするシーラ。
 …これは、チャンスだ!

「ねえ、もう一つだけ、お願いがあるんだけど」

「なあに…?できることなら引き受けるけど…」

「なあに、簡単なことさ。ちょっと目をつぶってくれる?」

「…うん。これでいい」

 すっと目を閉じるシーラ。俺はそれを見て、耳元でそっとささやく。

「なあ…キスしても…いいかい?」

「……………………うん」

 よっっっしゃああああああああっ!!
 俺ははやる心を押さえつつ、ゆっくりとシーラの唇へと…

「ほほう…それからどうするつもり?」

「そりゃ決まってるだろう?もうこのまま二人は愛の世界へと…」

「愛ねえ…あんたにはほかに選択肢があるわよ?」

「選択肢…?」

地獄っていう楽しい選択肢がねぇぇっ!!

 俺はあわてて後ろを振り返った。
 そこには怒りのオーラを身にまとった最強の鬼神が!!
 それは無力な俺を見下しながら、宣言する。

「さ、選びなさいな。一発で地獄に行くか。それともゆっくりと地獄に行くか。またまたそれとも地獄に行った方がましなくらいに痛めつけられるか」

 ぼきぼきと手をならすパティ。
 うう…これは本気だ。

「な、なあ。パティ。もう一つ、選択肢があるぜ?」

「なによ。言ってごらんさないな」

「うむ。それはだな。このままお前も交えて、三人で愛の世界へと向かうというかなりすんばらしい選択肢がな…」

 その言葉に一瞬だけパティ平静を取り戻す。
 ほっ。無理だと思ったけど、助かったのか。ラッキー。
 そしてパティはすっと俺に近づいて…、

「地獄行き一名様、ご案内」

 じゃきっ!

 パティの犬歯が異様に伸びた。
 うわっ!めちゃくちゃお怒りの模様で。

「だああああっ!ちょいとストップ!落ち着けよ!」

「やかましいっ!あんたの遺伝子、ここでストップさせたげるわ!!」

「うひいいいいいっ!シーラ!助けてくれええええっ!!」

 俺はシーラにすがりつく。シーラは笑って俺を受け止めてくれた後。

「ごめんね。私もすぐに後を追うから」

 とのたまわれ、スカートの中から鋭いナイフを一本。暗殺用の特殊ナイフだ。
 みるみる俺は青ざめる。

「ね、ねえシーラ。この冗談は笑えないなあ。もっと面白い冗談を…」

 しゅん

 俺の眉間をナイフが狙う。俺は反射神経を総動員してかわす。
 め、めちゃめちゃ本気や。

「…外しちゃった。…でも大丈夫。次は当てるわ」

「ぜんっぜん大丈夫じゃないいいいいいっ!!」

 俺は転がり回って、パティの元へ。

「お、おねげえだ。見逃してくだせえ!」

 俺の必死の懇願に…

「そうね…大丈夫よ。どっちにしろ、あたしはあんたを抹殺する気だから」

 冷たくのたまわれるパティお嬢様。
 …いかん。本気で殺される。
 まさに前門のトラ、後門のオオカミ。

「さ、言い残すことはない?」

「私はウェインくんのこと忘れないわ」

「いやだああああっ!!死にたくないいいいいっっ!!」

 俺は踵を帰して、その場から全力で逃げた。

「あっ!逃げた。追うわよシーラ!」

「うん…逃げないで、ウェインくん」

「誰か助けてえええええええええっ!!」

 その数分後、エンフィールド中に俺の絶叫と断末魔が聞こえるのだった。
 そうして、俺の過去は消え、また俺の日常がここ、エンフィールドで繰り広げられるのだった。
 
 

 後日談:ちなみに今から1年ほどたった後、ガルキマセラ帝国の皇帝が身ごもっていた男の子を出産。いったん政治から身を引いて、その子を懸命に育てているらしい。
 その男の子はウェインと名付けられ後の世界で英雄としてたたえられることとなる。
 ただ、その父親は依然として不明のままだったとさ。


END


 ふう…やっと終わりました。
 いんやー疲れた疲れた。
 つーか3日間で仕上げるのはきっついなあ。
 手元のマルボロも品切れだし。今度買いにいこっと。
 さあって、これには兄者もお怒りになられてないはずだから俺に危害はないしー。
 
 SE:ずぐしゃあああああああああっ!!

 おぷすっ!!な、なんで。
 nao:愚か者が。俺が怒ってないだと?甘えるのもいい加減にするんだな。
 へ、今回は別になにも悪いことしてないはずだけど。

 SE:ずぶしゃあああああああっ!!

 いひやあああああああっ!!何でえええっ!!
 nao:貴様は口答えをするな。第一、最後のあれはなんだ。あんなことをパティが知ればどうなるのか。貴様は理解して書いたのか?
 う…それは話の展開上…

 SE:ぐしゅううううっ!!

 あぎいいいいいっ!!
 nao:口答えをするなといったはずだ。それにあの浮気マキシマムモードに関しても貴様のやったことは万死に値する。
 だって。ほかのページでもああいう展開は…

 SE:どぎゅるるるるるるるるるる!!

 ぎょはあああああああああっ!!
 nao:黙れと言うのが理解できないのか。ならば、即刻切り捨ててやるか。
 うひいいいいいいっ!

 SE:ぴたっ…ちゃき…

 あ、兄者?
 nao:まあ。今回は一つのストーリーを完結させた努力だけは認めて、この場は終わりにしてやろう。
 おおう、なんだか助かったね。
 ふふふ…これで次のストーリーに取りかかれる。さあって、次はどんな鬼畜なものを…
 nao:やはり、死ね。

 SE:ざすっ! ざすっ! ざすっ! ざすっ! ざすっ! ざすっ! ざすっ! 
 SE2:すぶしゃああああああっ!!

 ううう…8HIT COMBO…痛すぎる…。
 nao:ふん。それではな。
 …つうわけで俺はほとんど全殺しモードです。さて、次はどんなSSを作りましょうか。
 感想、リクエストはいつも通りお願いいたします。それではまた次の作品で。

naokuro@geocities.co.jp


ついに完結しました。
皆様お楽しみいただけたでしょうか?
とりあえず最後ということで、短くまとめておきます。
上のメアドに、感想、感謝、謝礼、叱責、誤字指摘、カミソリ、カッター、ブッ殺し、パティコンボスペシャル、暗殺術、エーテルバースト連撃連撃ジ・エンド・オブ・スレッドメールをお願いいたします。
では。


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