KAWASAKI−500SSマッハV 1969

世界最大のオートバイ王国である日本のバイクメーカーがこれまでに生み出したバイクの種類は、おそらく四輪車のそれを大幅に上回ると思うが、それらの中でも最も伝説に満ち溢れたバイクといえばこのマッハVではないだろうか。いわく「3速まではウイリーしっぱなし。」、「猛烈なスピードでコーナーに入り、曲がれずそのまま転倒。」、「白煙で後続車は前が見えなかったため集団ツーリングは不可。」などなどである。

どちらかと言えば、賞賛というよりも危険に満ち溢れた伝説ばかりである。実際、このマッハVは、北米の「より大きく、よりパワフルに!」というニーズに答えて開発されたため、その加速と高速性能は強烈であったようだ。しかし、一方で前後のエンジン重量バランスやコーナリング性能には問題が多かったため、ウイリーや転倒は伝説ほどではないものの結構本当にあったらしい。

私がバイクに乗り始めた高校時代、このマッハは、まだ発売されたばかりであったが、既にその頃から、これらの危険に満ち溢れた言葉で語られていた。しかし、うわさばかりで、実際に乗ることはもちろん、見かけることも高松ではあまりなかったように思う。おそらく販売の中心は広大な北米であり、日本中合わせてもそれほど多くは走っていなかったのではないだろうか。実車が少ない分うわさがうわさを呼んで、ますます伝説化していったというのが実際のところかも知れない。いずれにしても、怖いながらも一度は乗ってみたいと思わせる不思議な魅力を持ったバイクである。

(WaterColor 260×360)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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