さーてぃ様のお世話役になって三ヵ月・・・。
時が流れるのは早いものですね・・・今日は雨・・・かぁ。修行はお休みですね・・・。
では。書庫の部屋にお連れしてみましょう・・・。本を読むのがお好きなようですから。
きっと。いい気分転換になるでしょうし・・・お勉強も出来ますし。
その間にクッキーでもやいておけば・・・私のお気に入りの紅茶でお茶できますし・・・。
うん。いい感じねっ。今日はこれでいきましょう。
・・・さて。 そろそろお迎えにまいりますか・・・。
お休みの日でも寝坊は良くないですからね。
「わあぁ〜」
思わず叫んじゃった。すごいなんてものじゃないよぉ
ここはじるばーど家の書庫・・・。
ふぃーるが息抜きにってつれてきてくれたんだけど。 なんて広さ。おまけに天井なんて見えないくらいたかくて
棚という棚には本 本 ほん〜〜。 いったい何万・・・ううんっ。何十万冊あるの?
「えっと・・・さーてぃ様?」
はっ・・・
あまりの光景に我を忘れてたみたい。ふぃーるが苦笑しながらひいちゃってるよぉ〜。
「えと。ごめんっ。なんかまいあがっちゃってっ。
あ。でもっ。ここの上の方の本って どうやってよむの?もしかして空飛んでとかとかぁ?・・・」
・・・って。ふぃーるをふりかえると。
彼女はくすっと笑うと静かに重力から開放・・・
つまり・・・空にうかんだ・・・。 「 うぁあっ。なん・・・で・・・。」
こえになんない・・・。
感情が極まると声がだせなくなるって聞いたことはあるけど・・・
これがそうなの?
でも。でもっ。人が空飛ぶなんてしんじられないよぉ。
・・・ってボクがひとりで取り乱してるとふぃーるが静かに降りてきた。
そして。
「おどろかれました?」
ってすました顔で話しかけてきた。
・・・で。ボクに一冊の本を手渡すと。
「かつて魔導大戦という大規模な戦いが起きました。
この本はその時の記録・・・みたいなものです。
簡単に物語にしてありますからよんでみてくださいねっ。
少しはお悩みも薄れるものとおもいますので・・・。」
そして。くすっ。と笑った。
「では。わたしは上におりますのでなにかございましたらおよびくださいませ。」
っていうがはやいか。あっと上空たかく舞い上がってみえなくなっちゃった。
む〜。相変わらず見透かされちゃってるし〜。
ま。なにはともあれ読んでみよっとぉ・・・。
「・・・んに?表紙のトコに何か書いてる・・・。えっとぉ・・・この本に触れしものよ・・・
この本を開きし者に試練を与える・・・。覚悟の成らぬ者・・・開く事なかれ・・・」
・・・うみ?開く事なかれ?ん〜。どうゆう事かにゃぁ。開かずに読めるわけないしねぇ・・・。
しばらく考えてたんだけど出た結論。考えたってはじまんないっ。
いきおいよく・・・本を開く・・・途端にボクは光の束につつまれ。
そして 意識をうしなった・・・。
「いったね・・・。」
「ええ・・・いってしまわれましたね・・・。」
はるか上空でさーてぃが光の束に飲み込まれるのを見ていた二人・・・。
「これで・・・良かったんですか・・・ひーる様・・・。」
「うん。史実を語るより実際に体験したほうが分かりやすいから・・・。」
「ごめんね?折角の気持ち利用しちゃって・・・。」
「いえ。お茶はいつだってできますから・・・。」
「今度ちゃんとうめあわせするから。」
「・・・おきになさらないで下さい。ひーる様・・・。」
「・・・うーん。今はいいよ。ここには私達しかいないんだし・・・。いつもの様にひーらーで。」
「そうね・・・じゃ。そうさせてもらうわ。時の御子が戻ってくるまで・・・。」