「えっとぉ・・・。」
この感覚・・・体が宙に浮いて飛んでるような。何度か体験したけど・・・。
ただ違うのは闇のなかじゃなくあったかい光の中にいること。
あの本を開いたとき光に包み込まれたとこまでははっきり覚えてるんだけど・・・。
すぅ〜と意識が失われていく。眠りに落ちてく時の様に・・・。
「・・・さーてぃ。さーてぃっ。」
・・・声? だれかの・・・声が聞こえる・・・。
「さーてぃ。よく聞いてっ。今からあなたはこちらの世界の過去の時代へ飛ぶわ。
ちょうど大戦がおこなわれてた頃よ。そこで史実を見てきなさい。
あなたはさーてぃ。時の巫女となるもの。無事に帰る方法は・・・。」
「え・・・。何?帰る方法は?どうすればいいの?」
・・・必死で聞いてみるけど返事はない。どうすればいいんだよぅ・・・。
パチっ。バブルが弾けるような音でボクは目をさます・・・。
「ん・・・うーみゅ・・・ん。」
「気が付いたみたいだね・・・。」
ボクの目に最初に映ったもの・・・
よく見慣れた風景とよく見慣れた人・・・。
「あ。ちょっとまってて。服持ってきてもらうから。」
そう言うと部屋の外に出ていこうと・・・扉に手をかけた。
「うぃる・・・。」
ビクっ。動きが止まった。
「えっと・・・。うぃるでしょ・・・?」
その人は体を翻すとにこりと笑い
「そうだよっ。僕はうぃるふりずないとうぉるなっつ。」
「ま。自己紹介はあとあとっ。いつまでもそんなかっこしたくないだろ?」
パタン
そういって彼は部屋を出てった。
「う〜みゅ。そんな格好ってもねぇ。」
「この時代だと このカッコも駄目なのかにゃぁ・・・。」
ふと・・・手首を見てみる・・・。あれ?包帯・・・?服は・・・着てないとか?
えっとお・・・。この毛布剥がれない・・・固定されてる?
かちゃっ。誰か入ってきた。
あ・・・。今度は女の子だ。あれ・・・?
「くえす?」
「え?オレの事しってんのか。お前。」
「えっと・・・。くえすだよねぇ・・・」
コンコン。
「着替えは終わった?」
「あ。申し訳ありませんすぐにっ。 デスペルっ。」
キンっ。鋭い金属音とともに毛布が軽くなる。
んしょっと。って起き上がろうとするボクを彼女は止めた。
「まだうごける状態じゃねーよ」って。
そういえば。下半身がほとんど動かない・・・。それに包帯ぐるぐる巻き。
「取り合えず下着は我慢してくれな。」って包帯をほどいてく。
わ・・・ボクの体傷だらけ・・・。
彼女はボクの体を一通りチェックして包帯を巻き直した。
「半端じゃない回復力もってんな・・・。」
「え・・・?」
「覚えてないのか・・・。ここに来たとき瀕死状態だったんだぜ?」
「ええぇっ。」
「ま。詳しくはうぃる様達から聞いてくれ。オレはただの見習いだから詳しいことはしらねーんだ。」
「ふーん。で。キミのフルネームってもしかして。くえすしぇるはーてぃとか?」
「・・・いや。似てはいるが・・・くえすぷろーとはーでぃすだ。」