「史実を見てくる様に・・・。」

「ふーん。」

「時の巫女の修行というのは初耳だけどそんなんもあるんだねっ。」

着替え(?)が終わって うぃるとくえすに相談してみた結果がこれ。

「・・・でもさ・・・。」

一息ついたた彼はボクの持つ特別な力について話してくれたんだけど・・・。

「多重能力保持者?」

「うん。普段は一つの能力しか使う事はないけど・・・。

使おうと思えば様々な能力を同時に使いこなす。

いわば僕達より優秀な魔導士なハズなんだけど・・・。」

「・・・だけど?。」

「使いこなすだけの精神力がないみたいだねっ。

僕達より劣ってるみたいだし。」

それに時空移動はよほどま高いレベルの能力者でも他人を自由には飛ばせないみたい・・・。

ボクが戻るためには自分自身とばさなくてはいけないけど使いこなすだけの精神力ない・・・

なぜかというと。いろんな能力を持ちすぎで精神力を維持することが出来ない。

そういう訳だった。

いくつかの能力を封印するか十分な精神力を習得するか・・・。

前者は能力を犠牲にし後者は時間を犠牲にしなくてはならない・・・

どちらにしても これしか方法がないみたい・・・。

で・・・

ボクは後者の方を選んだ。

ここで居候させて貰いながら。

魔力と精神力を高めてく事に・・・。

ちょっち紹介しとくね・・・。

くえすぷろーとはーてぃす。

ブラッディエンジェルの異名を持ら戦士で。

見た目は小さくて可愛いんだけど

一度戦場にでればほんの数瞬であたり一面が血にそまる事から血染めの天使と恐れられてるにゃ。

けどぉ。人付き合いも悪くないし。みんなからも好かれてるにゃ。言葉使いは悪いんだどねぇ。

んで。

うぃるふりずないとうぉるなっつ

時の管理者になる前。氷聖と言われてた頃の姿なのにゃ。

でも大戦が終結する直前暗殺されちゃったんだよねぇ。

で・・・

生前の功績と半端じゃない魔力を買われ時の管理者に選ばれたのにゃ。

その後・・・新しい管理者が選出され任を解かれ転生により再び現世に姿を表したのにゃ。

それがうぃるふりーすうぉると。

ボクの保護者であり先生でもある人なのにゃ。

ただ・・・

魔力と能力の大半は失われてるみたい・・・。

あくまで本人がいうにはだけどねぇ。実はおさえてるだけだって話もあるんだけど・・・。

「御苦労様・・・。」漆黒のマントを翻し彼は報告者に下がるよう申し付けた。

「まさか・・・あの時代にいこうとは・・・。」

彼は焦った。世界を別な物にしてしまえる力・・・。その持ち主が過去

・・・それも自身に深くかかわりのある時代に転移されてしまったのだから・・・。

ヒーラーの事だ・・・何も考えがないわけではないだろうが・・・。

サーティには因果を保つ重要性は教えてないのだ。

もしも。

あの圧倒的な力で勝利をもたらせてしまったら・・・。

・・・魔導対戦での敗北・・・。それが彼の転生に関わる因果となっていた。

敗北しなければ暗殺される事もなくなってしまうだろう。

「とりあえず・・・ヒーラーに相談持ち掛けてみるか・・・。」

「あぁ〜。その事ね。」と彼女はすぐに理解してくれた。

「で・・・何か対策はとってあるのか?」

「ん〜まぁ。それなりに大丈夫だと思うわよ?」

「それなり?」

「これ見て。」

そういって彼女は

小さな水晶玉をさしだした。

・・・魔石水晶・・・。精霊を封じる為に作られた特別な水晶玉。

ただし・・・。

精霊自体が持ち主に対し従順な為。封じ込めるというよりは中でくつろいでるっぽい代物なのだが・・・。

「・・・ふぇにあを?」

彼女はコクっとうなづき。

「これでも・・・心配?」

・・・と。

悪戯っぽい笑みを浮かべた。

フェニア。

伝説の炎の鳥フェニックスの子供でヒーラーの守護精霊。

子供とはいえ。その力は強大で半端な力では全く通用しない

普段は鳥の姿を取る事が多い。

人間形態の時はまるっきり無害で大人しそうな少女になっている。

ただ・・・

怒らせたが最後。

数々の炎魔法で黒焦げにされてしまうだろう。

・・・とまぁ。

見た目とは裏腹にかなりレベルの高い。精霊だと・・・

そういう訳だ。護衛兼見はり役にはちょうどいい・・・。

「いや・・・。彼女が一緒なら大丈夫だろう・・・。」

「人を見かけで判断しちゃだめだよ・・・。」

これが彼女の決め言葉。

この言葉を聞くとき必ずそこにあるもの。

無数の炎呪文をうけ横たわる物体。それが人であるか動物であるか。モンスターであるかの違いはあってもその事実は代わらない。

彼女の名はふぇにあ。

ふぇにあ てぃる。

サーティとともにみつかったのだが。瀕死のサーティとは裏腹にほとんど無傷であったため。

サーティの世話役を申し出た。

実のトコは護衛と回復をする為に近くにいる必要があった為・・・なのだが。

「さてと・・・。」

「これでうまく潜り込めたし・・・。早いとこ巫女の体を回復させなくてはね。」

「とはいったものの・・・。」

彼女は腕にはめこんだリングを見て溜め息をついた。

「思ったより転移の衝撃が大きくて殆どの力をサーティの生命維持につかっちゃったからなぁ・・・。」

レイズリング・・・。

彼女の腕にはまってる輪っかで生命力をためこんでおけるもの・・・。

本来は深紅に光ってるものなのだが。今はほぼ透明になってしまっている。

彼女はもいちど溜め息をつき。「この子を回復させるにもこの状態じゃね・・・。」と頭を抱え込んだ。

レイズリングは使いきりと言う訳ではないけど。

失った生命力を回復するにはあたしの力を必要とする・・・。

けれど。この時代にエリクセルがあるわけないしなぁ・・・。

人工精霊力回復剤エリクセル・・・。

あたしたち精霊の唯一の回復薬だ・・・。

これが出来るまでは魔導水晶の中で休むことによって回復してた・・・

時間がかかる回復方法だったけどこれでもいいほうだったから・・・。

けど。今はそれすら無い状態なのだ。

手に入れようにも精霊がこの時代に存在出来てないのだし到底むりな話だ。

あたし達が人間達と共存をするようになったのは。この時代から百年以上後の話なのだから・・・。

「やっぱ自然回復かぁ。」

・・・約三ヵ月・・・。

自然回復で精霊力を元どおりまで回復させるのに必要な時間・・・。

「巫女自身。瀕死だったとはいえ普通に体力回復できちゃうわ・・・。」

「・・・ん?」

「・・・・・。」

「普通に回復?」

「・・・そっか。」

「その手があったわ。」

「ヒーリングを覚えさせちゃえば短い期間で回復させる事できちゃう・・・。」

「ヒーリングの魔導書?」

「そ!これ。」

「よむだけで覚える事が出来るしろものなのよ。はやく動ける様になりたいでしょ?」

「う〜みゅ。それはそだけどぉ。・・・むずかしそぉ・・・」

「仕方ないの。残念な事に今のあたしには回復能力がないから・・・。自力で回復してもらわないとね・・・。」

えっとぉ・・・。悠久なる時の中に。時の巫女が願う。その流れによりて。我に治癒の力を与えよ。

・・・これだけなの?

ええ。それだけ。

そのスペルを唱えれば回復のスキルを使えるから・・・。ただし。それはあくまで転換魔法と言われる疑似的なものなの。

巫女の能力に依存するから効果はうすいとおもうよ?

・・・しばらく考えていたサーティ・・・。

「転換魔法ねぇ。疑似的に属性意外の魔法が使えるってことだよねぇ。」

「そうよ。そのままだけど。」

「効果がうすいってのは?」

「そうね・・・。分かりやすくいえば・・・。実力不足・・・かな?」