あぁ。レビテートの事かな?
羽根もない人間が空を飛べる魔法。
そう。こちらに来る前にひーるとふぃーるが見せたあの魔法。
でも・・・。あんまり実用性ないかも。
ある程度は浮いてられるけど。浮きながらの行動はかなり遅いものになるし・・・。
あたしみたいに 羽根で加速もできないでしょ?
・・・もっとも。ふぃーるみたいにハイレビテートとかつかえれば・・・。
高位魔法ってやつなの?
うん。風の一族専用っぽいんだけどね。風魔法のスキルがかなり高くないと使えないし。
・・・転換魔法でも?
・・・使いたい?もしかして。
うんっ。
じゃ。もっとがんばんなきゃねっ。しるふぃきびしいから・・・。今の数倍は力ないと会ってもくれないわよ?
そ・・・んなにボクって力ないんだ〜。
そういう事ね。だいたいあたしだって仕方なしに教えてあげたんだからぁ。
う〜みゅ。なんか情けなくなってくるよぉ。
仕方ないでしょ?いままでトレーニングしてなかったんだから。
でも・・・素質が無いわけでも無いんだから。頑張ればあたしより
(・・・ううん。あたしなんか足もとに及ばないくらい大きな力を得ることができるハズ。・・・だってあなたは時を統べる巫女なのだから・・・)
・・・どしたの?いきなり黙って深刻そうな顔しちゃって。
え・・・あ〜。考え事。
・・・昨日の夕御飯なんだったかなって・・・。
一瞬キョトんとしたさーてぃだったけど察してくれたみたい。
舌平目のムニエルだよ〜。もう忘れちゃったのぉ?
あ・・・あはは。そだっけ。もうボケちゃったかな〜。
さーてぃもヤレヤレといった顔で苦笑い。
(あたしなんかこの子の足もとにも及ばない・・・けど。今は・・・今だけは・・・)
さーてぃ・・・。
んもぉ。ほんとどしたの?ずっとそんな顔してさぁ。言いたくなきゃ聞かない。ボクはそういう主義だよ?
でも。つらかったら相談して。ボクなんかじゃたいした力になれないけど・・・
過去の・・・ずっとずっと前の記憶。
それは本人の知らないうちに思い出され・・・性格として表れる。
だから。この子は優しさを持つ・・・。飾られた偽りの物ではない。本当の優しさを・・・。
けれど。時の巫女として。果ては女王として時には厳しさも持たないといけない・・・。
この子にそれができるかどうか・・・あたしなんかがどうこう言える立場ではないけれど・・・。
パタンと日記を閉じる。
そして静かに精神を集中させる。
永遠と燃ゆる輪廻の炎よ・・・我の願いを受け入れよ。我が身が果てる時。リングの力を開放せよ・・・。
我を再びこの地に君臨させよ。キープ・ア・レイズ!!