ざーどさまぁ〜このドジ犬なんとかしてくださいよぉ。

あ?

仲い〜よなおまえらって。

なかいいんじゃないですよ〜。

ふぇりるは軽く溜め息をつくと。

確かに仲がいいと言うのは心外ですわね。

しかし。口の聞き方には気をつけてくださいましね。

これでもわたくしは誇り高きフェンリルの末裔・・・

あなたみたいな野良化け猫が意見できる立場にありませんわ。

っくぅ。ほんと生意気〜。

いつもわたしに勝てないくせに〜。

あ〜ら。それも心外ですわね。手加減して差し上げてるんですわ。

あなたがあまりに弱いから・・・。

・・・それをみてたざーど。

何かを思い出したかのようにぽんっと手を打つ。

バトルアリーナ。

じるばーど家地下三階にある闘技場。

ふたりは対峙した。

勝負は無制限。なんでもあり どちらかが戦闘不能になった時点で終わりだ。

けどよ・・・

直接攻撃はできねーぜ。

どっちが傷ついてもデメリットしかねーからな。

おまえらにはそれぞれ このバトルシュミレーターのプラティクスでの

立体映像どおしで戦ってもらう。

いーな?

はい〜

えぇ。結構よ。

負けたほうはまぁ・・・。

勝ったほうに服従・・・。

一週間だけな。

そのあとはまたリベンジするなりするといい。

のぞむところ。

二人声をそろえる。

そんじゃ はじめるぜ。コクピットにはいんなっ。

プラクティス!レベル1セットインっ。

ゴーグルにデータが写しだされる。

レベル1はダメージポイント制。

規定ダメージを先に受けたほうが負けだ。

ただし。どんなに強力な技を出そうが与えるダメージは1ポイント。

威力より回数こなせばいいってわけだ。

分かりやすいだろ?

つーことで。開始っ。

唐突の開始・・・。

先にうごいたのはふぇりるだった。

くらぁっしゅ。

あ・・・。

体がしびれる。

にやりと笑みを浮かべるふぇりる。

こっこの〜。

パラライズ〜。

よっと。

かわされたっ?ふふっ。狼の素早さ なめないでほしいですわよっ。

ハウントっ。

ガガッ。

きゃあっ。

体がひどく痛い・・・このままじゃ・・・。

ヒュン。

何かが突き刺さる。

っく。

ギリギリ回避。

したつもりが・・・

急に目の前が真っ暗になる。

戦闘不能の文字が写しだされる。

あ〜ぁ。負けちゃった〜。

ゴーグルを外しふぇりるを見る。・・・。

ROSER?

彼女のブースの表示は・・・負けを示していた。

なんで?負けてるのあいつ・・・。

パチパチパチ。

手を打つ音の方をみる。

ざーどさま・・・。

おめ〜の勝ちだべりあす。

・・・何を思ったか自爆スイッチを押してたぜ?こいつ。

・・・事のあらましはこうだった。

連続攻撃呪文であと少しってとこまでわたしを追い詰めたふぇりる・・・。

一気にかたをつけようと焦っちゃったのね。

俗に言う。勝ちを焦るというやつ。

で。間違えて自爆スイッチ押してしまった・・・と。

ホント

ドジなコ・・・。

それで〜自爆は自己破壊と引き換えに敵全体にダメージを与える手段なものだから

わたしもそれで力尽きたっていう結末・・・。

本来パーティ戦の時に足手まといになった場合に使う手段だから

決して無駄な機能って訳じゃないんだけどね〜。

・・・きゅるる?。(これで文句ないでしょ?)

えぇ♪よくにあうわよそのカッコ。

勝者は一週間主導権を握る・・・。

これが最初に決めた るーる。

わたしがふぇりるに何を命じたか・・・。

一週間。人間形態にならないこと。

実はふぇりるって犬の時は目がおっきくて真っ白で小さくてふわふわで。

特に尻尾なんかふさふさしてて。も〜すっごくかわいんだよ〜。

とってつけは鳴き方。きゅるるんだよ〜。

力も普通の小形犬くらいしかなくて無害だしね〜。

こいつを自由に出来るのはやっぱ気持ちいいね〜。

くせになっちゃいそ。

よぉし。次も勝たなきゃね〜。