ようこそ。キング。

今日は誰?

ふむ。うぃるに取り次ぎ願いたい。

ん。分かったよ。

・・・そこで口をつむぐ・・・ 異界にいた時の様に。いつもの調子で答えてみたものの。

今日の来訪者はただの人じゃない・・・。

ち・・・ちょっと聞いてきますねっ。

あわてて廊下を駆け出すその姿を見送りながら呟く

・・・べりあす・・・か。かなり優秀なやつだが。あれさえなければな・・・。 数分後。

お待たせしました。どうぞ。

地下へと続く廊下をすすむなか・・・。べりあすは不意に尋ねる・・・

まだ・・・怒こってますか?

・・・あぁ。こいつは忘れようにも忘れれんからな。

・・・あの時は申し訳ありませんでした。

・・・気にすることはない。おまえはおまえらしく自由に生きよ。

せめてもの罪滅ぼしというわけですね・・・。

・・・まぁそう言う事だ。

こいつは昔からそうだった・・・。過去の罪をいつまでも引きずってしまう。

しかも。それを認めてやらんと無茶をするからな・・・。

今の主人とはうまくいってるようだが・・・まぁ。今が良いならそれで良いのだろう。

こやつの心の傷も彼らが癒してくれておるしな。

・・・さぁ。つきました。

・・・これは?

見ての通り鏡です。これは・・・一見はなんの変哲もない鏡・・・

けれども。これが研究所への入口なのです。

一定以上の魔力を持った者であればこの入口を利用する事が出来ますが・・・

普通の者には鏡としか見えず鏡としてしか利用することが出来ないです。

これは実験の都合上。

魔力を持たない者がこの中にはいるとたちまちのうちに生命力を吸れてしまう程の負力に満ちているから・・・

ほぅ・・・。さすがは氷帝と呼ばれたやつだけあるな。

できるだけ強力な魔法をぶつけてください・・・そう簡単には・・・

そうだな。並みのやつではこいつは。やぶれない。

べりあす・・・下がってなさい・・・。

そして。背中にさしてある刀を抜き出すと一度だけなぎ払う・・・。

音もなく。鏡は割れ・・・研究所へと続くゲートが現れる。

・・・さすが。相変わらずすごい威力・・・ですね。

・・・創魔刀 刻陽・・・

魔力をダイレクトに放射する魔刀・・・。

キングの愛刀でありパートナーでもある。

さてと・・・まいりますか。

・・・と。その前に・・・べりあすよ。

はい?

おまえはいつものままでよい。

そう・・・無理に自分を飾るな・・・

べりあすは軽くため息をつき・・・

わかったよ。キング。あんたの前じゃ飾らないっ

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