今日は大晦日。ボクとふぃーるは買い物から帰ったとこ。
「さーてぃ様 これ ここに置いておきますよ?」
「あ! うん。ありがと。」
「えっと。それでこれらはなににお使いになるのです?普段見慣れないものばかりですけど・・・。」
「え?お正月のに使うものだけどぉ。」
「お・・・正月ですか?」
「うん。 もしかしてしらない?」
「はい・・・。」
「そっかぁ。んじゃ。今年はボクのとこでお正月体験してみる?うぃる達も呼んで。」
「そうですね。では。皆様に伝えて参りましょう。」
「さてとぉ。それじゃ。いそいで準備しないとねぇ♪。」
でも・・・意外と早くミスがみつかっちゃう。それは・・・
「ボクお料理・・・死人が出ちゃいそうなくらい下手なんだよねぇ・・・。」
「お家の事情でレシピは頭の中に入ってるけど・・・。」
「う~みゅ。どうしようかねぇ。
誰かどんな料理でも作れる人いないかにゃぁ・・・」
しばらく考えてみる・・・。
ピンっと一つの考えが閃く。そういえば・・・。
ざーどのとこ行ってこよっと。
コンコン。扉をノックする。
「あれ?いないのかにゃ・・・。鍵はあいてるみたいだけど・・・。」
「ざーどぉはいるよ~。」
カチャっと。扉を開けて部屋に入る。
あ。ねてるし・・・。
ま。いっかぁ。ボクが用があるのはこっちだし。
ボクが必要なのは側でうたたねしてるネコ。
そぉ~っと近づいていってみる。
すうぅ・・・と目が開く。
「やっほ」
小声で話しかける。
「こっちおいで」
目で合図
ネコは静かに立ち上がるとボクに付いてくる。
一緒に部屋を出る。
「ざーど。ちょっち借りてくね。」
カチリ
扉を静かに閉め。ざーどの部屋からボクの部屋に向かう。
ボク達の気配が消えた頃。ざーどが静かに目を開く。
「さーてぃのやつ・・・。料理できね~んだな。こりゃ・・・。」
全てお見通しだったらしい・・・。
一方。そんな事はつゆしらず。ボク達は作業を開始した。
といっても・・・。ボクが教えるレシピ通りべりあすがやってるだけ。
「はぁ・・・。もっとお勉強しなきゃだめだねぇ。」
べりあすの鮮やかな手つきをみながらちょっち自己嫌悪。
「さーてぃ?次はどうするの~。」
「え?もうやっちゃったの?」
ってべりあすを見ると。きれいに飾り付けまでされて置かれてる。
「わぁ~。おいしそぉだねぇ。」
ちょい味見してみる。
「うんっ。完璧っ。おいし~★」
「まだ細かい味は良くわかんないですから。今のとこ。それくらいが限界なんですよ~。」
「ううん。ぜんっぜん上出来だよぉ。
初めて作ったなんておもえないよぉ。
どうやったらこんな上手に出来ちゃうの~?」
べりあすは少し考えると。
「長年の経験ってやつですよ~。もう。かれこれ200年は生きてますし~。
それに・・・好きこそ物の上手なれですよ?」
「う~みゅ。好きだもんねぇ。べりあす。」
「でも・・・。どちらかと言えば。
私の作ったもので人が喜んでくれることが一番うれしいんですけど。」
「ふ~ん。そんなもんなんだねぇ。」
「そんなものだと思いますよ?」
「さてっ。時間もないですし。次いきましょう~。」
その頃・・・。ひーるの私室。
「ふーん。なかなか粋な事するわね。あの子も・・・」
「まぁ。あいつ。べりあす使ってるから料理は大丈夫だけどよぉ。」
「いまいち・・・この屋敷じゃ雰囲気でないわね・・・。」
「あぁ。それでおまえのとこにきたんだけどな。」
「なにか・・・いい考えあるの?」
「まぁ。一応な。あいつがそこまでしてはりきってんだし。黙って見てるわけにもいかねぇだろ?」
「そうね。うちの敷地ないだったら多少改造してもかまわないわよ?」
「そか。んじゃ。早速やってくるわ・・・。ありがとな。」
勢い良く部屋を飛び出すざーど。
それを見て・・・。
もう。すっかり骨抜きになっちゃったわね・・・。
でも・・・。
さーてぃには不思議な魅力を感じる・・・。時空魔法能力者ってだけじゃない。
なにかわからないけど・・・。
弟も明るくなった。不器用さは相変わらずだけど・・・
以前はこんなに人の事かんがえてなかったもの・・・。
あの方も見る目は持ってるのね・・・。
「さてと。みんな動いてるし。あたしだけなにもしないわけにもいかないよねっ。」
その頃。ジルバード家地下7階。
魔法陣の部屋・・・。別名。魔導研究所。
「うぃる?いるんでしょ?」
「あ。ひーらー。どしたの?」
あたしは肩をすくめてみせる。
不思議そうに見つめるうぃる。
「やっぱきいてなかったわね・・・。」
「ん?さーてぃがお正月やるんだよね?」
「あ。しってたの。」
「ふぃーるからきいたしね。」
「え・・・?でも。」
「ここの場所は知らなくても。専用線はもたせてるから・・・。」
「そう・・・。知ってるならいいわ。」
「それに・・・ちゃんと準備もしてるよ。もう少ししたらとどくんじゃないかな。
ちょっと大きい荷物だけどいいよねっ。」
「まぁ。別に大丈夫よ?」
「でも。不思議よね・・・。あの子の為だったら違和感無くみんな動いてるんだもの・・・。」
「ん~。たんにかわいいからじゃない?母性本能くすぐるようなさ。」
「ん。それもあるかもしれないわね。」
「ま。そんな考えてても仕方ないと思うよ?」
「でも・・・」
あたしが言おうとしたその時。
ふぅっと魔法陣が淡い光を放ち出した。
「きたきた。お正月っていったらこれがないとねっ。」
魔法陣から現れたものを見て・・・
そのまま。あたしは言葉を失ってしまった・・・。
「・・・これ。室内用なの・・・?」
「ま。今の時代じゃ珍しいかもね。
でも・・・やっぱ8人用は大きかったね。特注品だし。」
「んじゃ。これさーてぃのとこ置きにいこっ。」
さーてぃの部屋・・・。
「わぁ。おコタだぁ。」
「おコタ?」
って何って僕に聞いてくるひーらー。
「えっとね。日本古来の暖房器具。結構新しい型をよこしてもらったんだけど。 どうかな?」
「うん。うんっ。すっごくうれしいよ~。どうしたのぉ? 」
「あ。いや。ちょっとねっ。正月っていったらこたつとみかん。おそばとおせちだろ?
って事だよ。ひーらー。」
「ふぅ~ん。日本の独特なスタイルな訳のね。にしても。よく調べたわね。 」
「まぁね。ざーどがいろいろ書庫でしらべてたから便乗しただけだよ。」
「あ・・・そういえばざーどはどこにいったのかしら? 」
「ここにいるぜ?」
「あれ?さっき外から声聞こえたよねぇ?」
窓を開けてみる。
そこには。全員が息を飲んだ程の景色が広がってた。
「日本庭園・・・なの?」
「・・・みたいだね。」
「豪勢だねぇ。」
「まぁ。ほとんど立体映像だけどよプロジェクター借りたぜ!うぃる。」
「あ。別にいいけど・・・。壊さないようにね。」
「さて。んじゃ。ふぃーる呼んでくるねぇ。」
後に残った二人はというと。
「・・・なかなかやることがおおきいね。」
「ええ・・・。わが弟っておもえないくらいよね。」
「これは・・・なかなか趣があって良いものですね。
さーてぃ様の生まれた地にはこのような美しい景観があるのですね。」
「うん。ここまで豪華な景色じゃないけどねぇ。
こーやって みんなでおこた入って。この重ねた箱・・・おせちって言うんだけど。
これをみんなで食べるものなのにゃ。それで一家団欒みたいな事するのがお正月なんだよぉ。
でも・・・みんなありがと。手伝ってくれて。」
「当たり前だろ?間違った正月ふぃーるに教える訳にいけねぇしよ。な?べりあす。」
「そんなこと・・・少しありますね~?」
「うぅ~。ごめん。」
一斉に笑う
来年もいい年になりますよぉに☆