出雲大社参詣客の輸送のため大社駅が開業したは明治45年6月のことで、
現在残っている駅舎は大正13年に改築されたものです。

『お召し列車』の送迎、急行いずも号(大社〜東京)・急行だいせん(大社〜京都)などの直通運転をはじめ、
戦後の最盛期には年間の団体臨時列車は280本を数えました。

しかし、モータリゼーションの波には勝てず、出雲大社参拝客の多くがバスを利用するようになると、
乗降客は激減し、とうとう平成2年3月31日、大社線の廃止に伴い78年の歴史を閉じたのでした。

そんな大社駅をバイクで見に行ったのが2月の下旬のことでして。
さすがに山陽・山陰平野部では雪は残っていませんでしたが、
県境付近では雪が山のように残っていまして、寒いのなんの。
油断して割と軽装で挑んだものですから走行中も体の震えが止まりませんでした。

天気予報では午後から晴れるって云ってたのに結局曇ったままで。
あまり撮影日和・・・というわけにはいきませんでしたが、ともかくいろいろ見てきたのでした。

    
大社駅駅舎正面・・・寺院建築風な左右対象の構造になっています。


    
中は天井が高くなっていて、とても空間が広く感じられます。
当時の観光案内所、切符売り場などがそのまま残っています。

    
時刻表、運賃表も当時のまま。

    
ホームも今でも十分使えそうなくらいです。
大社線で活躍したD51型蒸気機関車が静態保存されており、当時の様子を偲ばせます。

    
タブレットを保管する箱(名前忘れました(笑))や、ヘッドマークなども展示されています。

    
照明や鉄板にも細かい仕事が施されています。


駅舎横にある初詣用臨時改札口
『歓迎 大社町』の錆び付いた看板が物悲しい感じです。

この大社駅ですが、実は出雲大社まで1.6km・バスで7分という最寄駅としてはちょっと不便なところにあります。
こういった点もこの駅の寿命を縮めた一因なのかもしれません。

地元の大社町は駅舎を保存して観光施設として活用することを決めているようで、
実際今回訪れたときも観光バスがやってくるなど、観光ルートの中に組み込まれているようです。


ついでに。
せっかくなので一畑電鉄出雲大社前駅にもいってみることにしました。

一畑電鉄出雲大社前駅・・・国鉄が和風なので、一畑は洋風で対抗したのでしょうか?
鉄道利用ならこっちのほうが断然出雲大社に近いです(徒歩5分くらい)
ただ、電化されてる割には便数が極端に少ないのがネックですが(笑)

京王電鉄から移ってきた5000系
松江と出雲大社を直通で結ぶ一畑電鉄の看板電車として活躍しています。


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