吉備路を歩いてみようシリーズ その2
鬼ノ城(岡山県総社市)

鬼ノ城は吉備高原の最南端、標高400mの鬼城山の山頂に築かれた古代の山城です。
その名が示す通り、昔、温羅という鬼がこの城に住み着き、住民を困らせていたところ、
吉備津彦命がこれを退治したという、いわゆる桃太郎伝説の起源になったといわれる史跡です。

現在、発掘調査と史跡整備が進められており、とても訪れやすくなっていました。
山頂付近まで車で上れますし、広い駐車場も整備されてます。
・・・前に来たときとは大違いですね(汗)

駐車場から急な坂道を登ると、角楼跡が見えてきます。
  
ここは城の背面にあたるため、西門の防御強化もあわせて建造されたもののようです。

  
復元された角楼。
柱を良く見ると細かい削り跡が。
現地の方の説明によると、当時の工法を再現してチョウナ、ヤリガンナで加工したとか。


角楼の脇を通り抜けると、西門です。

  
(左)・・・西門跡。現在も発掘調査が継続中です。
ここからの景色もいいですね。
(右)・・・石が敷き詰められた西門へと通じる坂道。

  
復元された西門。
内部にはなぜか隼人っぽい盾が(汗)
こちらも一部の角柱がヤリガンナで削られていました。


山頂は古代に栄えた吉備氏の本拠である総社平野や、瀬戸内海が一望できる絶好のロケーションになっています。

日本で有数の大きさを誇る前方後円墳である造山古墳も望めます。


鬼ノ城の全体図です。
城壁が鉢巻状に山頂を囲むように築かれています。

  
(左)・・・屏風折の石垣
鬼ノ城のシンボル的存在ですね。

(右)・・・東門から総社平野を望む。
門の出口は急峻な崖になっています。
以前訪れたときは麓から徒歩で登り、この門から城内に入りました。


  
(左)・・・南門跡
(右)・・・第一水門
山頂で溜まった水を逃がすための設備です。

これらの設備以外にも、礎石建物群が幾つか見つかっているほか、
まだ未調査の部分もあり、今後の調査に期待がかかります。

重機もない時代に人力だけでこれだけの大規模な石垣を造ったのかと思うと、
ただ、呆然としてしまいます。
石を麓から運び上げるだけでも大変ですよね。

また、山頂からの総社平野、瀬戸内海の眺めは絶景です。
車なら簡単に城内を散策できますので、是非訪れてみてください。

(2004/05/26 追記)


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