今回はいつもと違って他の人のネタです
ネットフレンドのバサリカ氏のブログに掲載されたものです
しかし、今はそのブログは無く、このまま埋もれてしまうのは
非常にもったいない
そこで本人に許可を取ってエクスキャリバーで扱わせて頂くことにした
多少なりともアレンジは加えています
それではどうぞ




「美しい男の条件」



普段、街を歩いていて


ショーウィンドウに映った自分の姿を見て愕然とする。


何という醜さであろうか




こんなに足が短く




いつの間にかこんなに太ってしまっている





我が身体ながら嫌悪感を覚えてしまう。


普段は容姿に拘りなどはないが



目の当たりにするとやはりヘコむ



ところが今日家族で天神の街を歩いていて


ショーウィンドウに映った自分の姿を















「美しい」


















と思ってしまった


眠っている息子を横抱きしていたのだが


その姿に隙はなく


完全なる自然体であった。肩の力が抜けたその姿は


まさに往年の剣士が静かに


中段の構えをとっているようでもあった。


私はしばし足を止め




ガラスに映った自分の姿に見とれていた




そんな私を見て


数メートル先を歩くヨメが眉間に皺を寄せながら


引き返してきた。


「なに、これ買ってくれるの?」


よく見れば、そこにはブランド物のバッグが陳列されている。





































「美しいと思わないか?」




 「趣味じゃないけど、買ってくれるなら、それはそれで嬉しいよ」



























「いやいや、俺!」




















「はぁ?」



「子供を抱く俺の姿だよ」


 「・・・・・」


「何と言うか」


「剣を子供に持ち替えた剣豪って」


「こんな感じだろ」


「・・・・・」 



「俺は生まれて初めて自分で自分を美しいと思ったよ」



「子供を抱かせたら」




「俺は日本一美しいかもしれないな」




























「行くよ」







ヨメは無視して歩き始めた


私はもう少し美しい自分を眺めていたかったが



いつまでもこうしている訳にもいかない





























街行く人たちに変人だと思われてしまう。


「なあ、美しいだろ?」


歩きながら、尚も私は質問を繰り返した


「・・・・・」


ヨメは相手にしないことにしたらしい


「おい、聞いているのか?」


「・・・・・」


子供を抱く美しい俺の姿に嫉妬しているのか


「ねえ、パパは美しいだろ?」


私は矛先を娘に替えた。


「うん!」


娘はさすがに素直である


良いお返事だ。


その時ようやくヨメが振り返った


顔中で嫌悪感を顕わにしている


「さっきから、言おうと思ってたんだけど」





































「チャック開いてるんですけど」















































( ̄□ ̄;)!!












バサリカ氏に深く感謝いたします




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