AMDA study tour報告

国際NGO「AMDA(アムダ)」のCambodia study tourに参加しましたので報告致します。
今回study tourに参加しようと思い立ったのは、頭の中ではNGOの活動を理解しているつもりでも、「自分に何が出来るのか」ということをこの目で見てみたいという単純な思いからでした。
AMDAは政治的・治安的に不安定だった1993年から、難民・国内避難民などを対象として、保健医療活動を中心とした支援を行ってきました。以下現在カンボジアで行われている支援を中心に見てまわりました。

・巡回診療とコミュニティ開発プログラム(コンポンスプー州)
 カンボジアでも貧しい地域の一つであるコンポンスプー州において、診療所まで行くことが困難な身体障害者・最貧困層の人々に対し、医師・看護師・保健教育担当・アシスタント(全てカンボジア現地スタッフ)からなる巡回診療チームが無償で巡回診療を行っていました。診療時間の前に、住民自らが予防意識を持つために工夫を凝らした保健教育を施し、又将来巡回診療がなくなっても自分達で医療サービスへアクセス出来るために、村毎にヘルスボランティアを発掘・育成に取組んでいました。

・カンボジア日本友好小学校(チャンバック小学校)とデイケアセンター
 AMDA高校生会と一般企業の働きかけにより新校舎の建設支援を実施し、2001年3月に新開校され、デイケアセンター(保育所)も併設されていました。夏休みだというのに子供たちが大勢集まってくれて、一緒に風船遊びやサッカーを楽しみました。「どこの国でも子供はかわいい」

・AMDAカンボジアクリニック(プノンペン)
 貧困層及び障害者の人々に低価格で質の高い医療サービスを行う目的としたプノンペンにある診療所で、一般・産婦人科診療、エコー検査、小外科手術等を行っていました。院長(AMDAカンボジア支部代表)のシエン・リティ氏が、将来このクリニックを病院にし、カンボジア人医療スタッフの養成場所にしたいとの夢を語っていたのが印象的でした。

・アンロカ行政地区保健プロジェクト
 当プロジェクトは、カンボジア政府がADB(アジア開発銀行)から国家事業の一つとして資金を借款して保健省とAMDAの契約のもと1999年〜保健行政管理を委託されたプロジェクトです。アンロカ地区には地区病院(60床)1つと保健センター(診療所)が9つあり、保健センター間では評価ワークショップが行われ、地域保健向上のため常に努めていました。昨年から救急車が地区病院に導入され(カンボジアには公的な救急車は無し)ていますが、主に病院間搬送に使われていました(カンボジアの道路事情は想像以上に悪い)。又、地区病院には日本人医師がエコーの指導等で2ヶ月間滞在しておられ、いろいろな話を聞くことが出来ました。

以上がAMDAの支援ですが、これ以外に他のNGOが支援している障害者のためのリハビリセンター、職業訓練所なども見学しました。又、現地スタッフの家にホームスティもしましたが、電気も水道もない中での夕食のおいしかったことは今でも忘れられません。

今回のstudy tourでNGOについて様々なことを考えさられました。NGOの活動はよく魚釣りに例えられるそうですが(魚を提供するのではなく、釣り道具を与えて釣り方を教える)、私はNGOもやはりcollaborationかな?と考えます。まだまだ私には勉強しなければならないことが多そうです。

最後に、アンコールワット等の観光もしましたが、ポルポト時代の罪の無い人々を強制的に収容・拷問した刑務所見学では言葉を失いました。

(写真は別のページで)

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