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☆ピストン
ヨシムラの89mmピストンキットを使いました。このピストンはノーマルと同じ鋳造品で、重量的にはノーマルとほぼ同じ
くらいです。コスワースやSOHCの鍛造品に比べると強度は落ちますが、ノーマルよりは耐久性も高いです。また、
ノーマルに比べボア径2mmオーバーという点でも、安心して乗れるギリギリのラインだと思います。
鍛造品のコスワース等も考えましたが、ノーマルスリープに対してのクリアランスを大きくとらなければならない為(ピストン
とスリーブの素材が違うため、膨張率も異なる)、スリープをアルシル素材等のものに交換しないと耐久面で厳しい。そんな
こんなで、今後のオーバーホールの余地を残すという点からこのピストンにしました。
☆カムシャフト
ヨシムラのST−2カム、メガサイクルの251−62とで迷いましたが結局ヨシムラに決定。その理由として@メガサイクル
のカムはカム山が物ごとに微妙に違い、バルブタイミングが出しずらい。A最高出力を発揮する回転数が非常に高いため
街乗りにはチト厳しいなどです。まー本音のところはエンジンをいじった当初は知識も不十分だったために、無難にヨシムラ
にしました。
☆クランク
ノーマル500のクランクを精密にバランス取りし、ピストンピンを溶接で固定しました。これで高回転でブン回しても安心?
☆バルブスプリング
ヨシムラのカムを使ったので迷わずヨシムラのスプリング。
☆リテーナー
エンジン内部の主要な部品は、耐久性に問題ない程度に軽量化するというコンセプトだったので軽量で丈夫なチタン製
を仕様。
☆カムチェーン
とりあえずボア、ストローク、圧縮も上がったことだし、念のためということで強化タイプを使用
強度はあがっているが、その分カムチェーンテンショナーは減りやすいようだ。
☆ヘッド
以前から気になっていたエンジンヘッド部分からの圧抜きのホースを新設!通常はノーマルカバーに溶接して後付けする
場合がほとんどだが、なんとなく見た目にもこだわりたかったので削り出しで加工、材質はジェラルミン。
太いホース(♯6)と細いホース(♯3)で迷ったが、大は小を兼ねるてことで太いほうで決定(笑)
☆その他
上記コンセプトの元、バルブとロッカーアームの軽量化および鏡面加工。これによってかなりフリクションの低減につながって
いるはず・・・。吸排気ポートはインテーク、アウトテークともに40Φに拡大し、インテークマニホールド、バルブガイドも、それ
にあわせて削り込みました。非常に手はかかるが手間の分だけ効果は期待できます。ただ夏・冬にするのは止めましょう。
ENGINE | 使用パーツ | 価格 |
ピストン | ヨシムラ製 89mm ピストンキット | 32500 |
カムシャフト | ヨシムラ製 ST-2 カムシャフト | 28000 |
クランク | 500純正クランク+芯出し溶接加工 | 不明 |
バルブスプリング | ヨシムラ製 強化タイプ | 12000 |
リテーナー | チタンリテーナー | 12000 |
カムチェーン | ヨシムラ製 強化タイプ | 10600 |
ヘッド | アルミ削り出しブローバイ機能 | プライスレス |
その他 | バルブ、ロッカーアーム軽量化、ポリッシュ ポート研磨、etc |
不明 |
ヨシムラの89mmピストン(圧縮比11.5:1 400クランクの場合9.8:1)とノーマルクランクの組み合わせで排気量は
522cc(400クランクの場合は416cc)、さらにST−2カムと強化バルブスプリングを入れて高回転向きの仕様にしています。
ただパワーカーブも非常にフラットなため、街乗りでも十分対応可能。実際2500回転くらいの巡航でも走りづらさは感じま
せん。ただやはり高回転向きのカムなので、パワーバンドに入る4500〜5000回転からの伸びは強烈です。
思ったよりも不快なフリクションが無く、その辺にはバルブ&ロッカーアームの研磨や軽量化が多大に影響しているとは思います。
以前パワーチェックした時に後輪計測で最高出力が48.7ps、最大トルクが5.1kg−mでした。
キャブセッティングや電装系カスタムを煮つめていけば同じ仕様で十分50psの大台は可能だとは思います。
(2002.7.21現在)
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