<Technical Reportについて>
SRというバイクはアフターパーツが非常に豊富であるがため、簡単な
パーツ交換でいともたやすく性能を向上させるこのが出来るのは周知の
通り。でもそのパーツの多さゆえの悩み、どのパーツにしたらいいか?
セッティングは?等、他のバイクに比べて多いのも事実、そこで今までの
経験と感想に基づいて個人的な意見(偏見?)ですがインプレを作って
みました。
まずはじめに、バイクにおける減速比について。バイクのエンジンによって作られた動力は、まずミッションで変速され
前後スプロケットとチェーンをリンクして、後輪へと伝わります。つまり、前後のスプロケット丁数の選択が走りの特性を
決定する一因となっているのです。
では減速比の値についての説明を。
減速比とは、1時減速、2次減速とがあり、前者はミッションによって、後者は前後スプロケットによって構成されてます。
ここでは2時減速についてインプレしていきます。
まず減速比の計算方法
( リアのスプロケットの丁数÷フロントのスプロケットの丁数 )=2次減速比 ということになります。
簡単な例を挙げると、
400ノーマル:( リアスプロケット56丁÷フロントスプロケット19丁 )=2.947
500ノーマル:( リアスプロケット44丁÷フロントスプロケット16丁 )=2.75
という値になりますね。
ここで400と500のスプロケットの丁数が大きく異なっているのはチェーンサイズが異なるため
(400は428サイズ、500は530サイズのチェーンを使用)減速比の値の比較には全く問題ないです。
ではこの値が2次減速比で、値が大きければ加速型(ショート)、値が小さければ最高速型(ロング)ってことになります。
ただ、やみくもにスプロケットをロングにしたところで最高速が上がるってわけでもありません。
チャリンコでスピードを出すときはギアをかえ、最高速型にする代わりにペダルはドンドン重くなっていきます。つまり、
このペダルを十分に回転させるだけのパワーがないと結局、最高回転数が落ち、最高速は伸びないってな按配になる
わけです。同時に当然加速は鈍くなります。
要は自分のバイクのパワーとのバランスが大事ってわけです。
逆にキャブやマフラー、エアフィルターを交換し、パワーが格段に上がっているにもかかわらずノーマル減速比のまま
だとすぐにふけ上がってしまい、アップした性能を十分発揮できてないってことになります。
この辺のフィーリングには個人の好み、使用用途等もかなり影響してくるんで何とも言えませんが、以下のインプレでは
自分が今までに行ったスプロケットの丁数とその時の感想を述べていきたいと思います。
あくまで個人的な意見(偏見?)なんで、参考程度に見て頂ければ幸いです。
VOL.1仕様 | |
エンジン | 400ノーマル |
キャブレター | ヨシムラTMR-MJN40φ+K&Nパワーフィルター |
マフラー | 4インチ ス-パートラップダウンタイプ |
プラグコード | トリプルコアウイニングケーブル+ケーブルマスター |
ミッション | ノーマル |
タイヤ | ダンロップK-180 F:19インチ/R:18インチ |
スプロケット | AFAM製520サイズ F:16/R:44(減速比2.75) |
チェーン | D.I.D製520サイズ VMシルバー |
VOL.2仕様 | |
エンジン | ヨシムラ522cc+ST-2カム+ポート研磨他 |
キャブレター | ケイヒンFCR41φ+ファンネル |
マフラー | 4インチ スーパートラップダウンタイプ |
プラグコード | トリプルコアウイニングケーブル+ケーブルマスター |
ミッション | ノーマル |
タイヤ | ダンロップK-180 F:19インチ/R:18インチ |
スプロケット | AFAM製520サイズ F:17/R:44(減速比2.588)) |
チェーン | D.I.D製520サイズ 520VMシルバー |
今回はピストン、クランク、カム等のエンジン主要パーツのグレードアップにより排気量は400cc→522ccに拡大。
それに伴いパワー、トルクとも以前の仕様に比べ格段に上昇したため、とりあえずスプロケットのフロント側を1丁増やし
て(フロントを1丁あげると、リアを3丁少なくした程度の変化がある)
AFAM520サイズ F:17/R:44(減速比2.588) にしてみました。
これで5速3500rpmで85q/hくらいです。感想としては、高速巡航するには若干ショートかなって感じるところはある
ものの、街乗りなどのストップ&ゴーを繰り返すような場合、かなり楽しめる仕様だと思います。
ボア、ストロークの拡大により根本的なパワーやトルクが上昇したため、ヨシムラST-2という高回転型カムにもかかわらず
400とは比較にならないほどのトルク感(ドコドコってやつですね)を5速2500rpm位の低回転域でも十分に感じることができ、
そこからアクセルを開けていくと、かなりの加速感で回転が上昇していきます。
もちろん低回転域での挙動も非常に安定しているので、スゴク走りやすい印象です。
この仕様だと、シグナルスタートでは、その辺のミドルネイキットを軽く一蹴するくらいのダッシュを披露してくれます。
また上昇中も挙動は安定しているため、ストップ&ゴーの多い街乗りでは若干ショートかもというくらいが意外に乗り
やすいのだろうという印象を受けました。
ただ高回転までまわすと、4.5速はともかく、ギアレシオの低い1.2速ではすぐ吹けきってしまう感じ(ノーマルのミッション
が悪いと言ったらそれまでですけど)です。ですので高速巡航なんかはもっとロングでもいいかな〜とは思いました。
タイトなコーナーが連続してるような峠だと、意外と楽しいかも・・・なに分タイヤがタイヤなんであんまり攻めてません(笑)
VOL.3仕様 | |
エンジン | ヨシムラ522cc+ST-2カム+ポート研磨他 |
キャブレター | ケイヒンFCR41φ+ファンネル |
マフラー | ベルトラン製 レーシングアップマフラー |
プラグコード | ノロジーホットワイヤー |
ミッション | ノーマル |
タイヤ | ダンロップ TT-900 前後17インチ |
スプロケット | AFAM製520サイズ F:17/R:38(減速比2.23) |
チェーン | D.I.D製520サイズ 520ERV |