◇ VOL.1 ◇  ◇ VOL.2 ◇  ◇ VOL.3 ◇ 

<Technical Reportについて>

SRというバイクはアフターパーツが非常に豊富であるがため、簡単な
パーツ交換でいともたやすく性能を向上させるこのが出来るのは周知の
通り。でもそのパーツの多さゆえの悩み、どのパーツにしたらいいか?
セッティングは?等、他のバイクに比べて多いのも事実、そこで今までの
経験と感想に基づいて個人的な意見(偏見?)ですがインプレを作って
みました。

<はじめに>

まずはじめに、バイクにおける減速比について。バイクのエンジンによって作られた動力は、まずミッションで変速され
前後スプロケットとチェーンをリンクして、後輪へと伝わります。つまり、前後のスプロケット丁数の選択が走りの特性を
決定する一因となっているのです。

では減速比の値についての説明を。
減速比とは、1時減速、2次減速とがあり、前者はミッションによって、後者は前後スプロケットによって構成されてます。
ここでは2時減速についてインプレしていきます。

まず減速比の計算方法
( リアのスプロケットの丁数÷フロントのスプロケットの丁数 )=2次減速比   ということになります。
簡単な例を挙げると、

  400ノーマル:( リアスプロケット56丁÷フロントスプロケット19丁 )=2.947
  500ノーマル:( リアスプロケット44丁÷フロントスプロケット16丁 )=2.75    という値になりますね。

ここで400と500のスプロケットの丁数が大きく異なっているのはチェーンサイズが異なるため
(400は428サイズ、500は530サイズのチェーンを使用)減速比の値の比較には全く問題ないです。

ではこの値が2次減速比で、値が大きければ加速型(ショート)、値が小さければ最高速型(ロング)ってことになります。
ただ、やみくもにスプロケットをロングにしたところで最高速が上がるってわけでもありません。
チャリンコでスピードを出すときはギアをかえ、最高速型にする代わりにペダルはドンドン重くなっていきます。つまり、
このペダルを十分に回転させるだけのパワーがないと結局、最高回転数が落ち、最高速は伸びないってな按配になる
わけです。同時に当然加速は鈍くなります。

要は自分のバイクのパワーとのバランスが大事ってわけです。

逆にキャブやマフラー、エアフィルターを交換し、パワーが格段に上がっているにもかかわらずノーマル減速比のまま
だとすぐにふけ上がってしまい、アップした性能を十分発揮できてないってことになります。

この辺のフィーリングには個人の好み、使用用途等もかなり影響してくるんで何とも言えませんが、以下のインプレでは
自分が今までに行ったスプロケットの丁数とその時の感想を述べていきたいと思います。
あくまで個人的な意見(偏見?)なんで、参考程度に見て頂ければ幸いです。

◇VOL.1◇

 VOL.1仕様
エンジン 400ノーマル
キャブレター ヨシムラTMR-MJN40φ+K&Nパワーフィルター
マフラー 4インチ ス-パートラップダウンタイプ
プラグコード トリプルコアウイニングケーブル+ケーブルマスター
ミッション ノーマル
タイヤ ダンロップK-180 F:19インチ/R:18インチ
スプロケット AFAM製520サイズ F:16/R:44(減速比2.75)
チェーン D.I.D製520サイズ VMシルバー
懐かしの見た目ハッタリ全開トラッカー仕様の時のインプレです。多分この辺のカスタムされてる方が一番多いのでは
ないかなって思います。

先にキャブ、マフラー、プラグコード等を社外品に交換したことにより、パワーアップ!
そのため加速は非常に良いもののノーマルスプロケットの減速比ではすぐに吹けきってしまい、その性能を十分に発揮
できていない状態。個人的にも最高速がもうチョット伸びて欲しい。というワケで、ノーマルより若干ロングの

AFAM520サイズ F:16/R:44(減速比2.75で500ノーマルと同減速比)  にしてみました。

感想としては「こんなに違うもんなんか〜」ってな具合に、あまりの違いに正直ビックリ!
感覚的にはよく言われる1速増えたと錯覚するくらいに走りに余裕ができました。
400ノーマル減速比で5速3500rpmで75q/hくらいだったのが、80q/h程度に上昇。最高速にしても10km強上がりました。

個人的にはリアがもう1丁位ロングでもいいかな〜って考えはしたんですけど、この状態で全く不満なし!
最高速が上がったのに対して、加速もほとんど犠牲になってなく、低回転からアクセルを回してもスムーズに上昇して
くれます。
慣れれば2速発進!ロケットダッシュってなことも十分可能!とにかく街乗りだけでなくツーリング等でも十分楽しめる仕様
になりました。

参考までに同じようなスペックでF:16/R:42っていう組み合わせに乗ったとき、低回転域からアクセルをポン!って開けた
時の加速感がスゴク鈍く、イマイチ・・・。
さらに低い回転域で乗っているとエンジンのパワー不足からか挙動が安定せず、アクセルを開けてもメチャエンジンが苦し
そうな印象。

そのへんのところから18インチ仕様でキャブ+マフラー程度のチューンだと、減速比2.75程度があってるんじゃないかなと感じました。

◇VOL.2◇

 VOL.2仕様
エンジン ヨシムラ522cc+ST-2カム+ポート研磨他
キャブレター ケイヒンFCR41φ+ファンネル
マフラー 4インチ スーパートラップダウンタイプ
プラグコード トリプルコアウイニングケーブル+ケーブルマスター
ミッション ノーマル
タイヤ ダンロップK-180 F:19インチ/R:18インチ
スプロケット AFAM製520サイズ F:17/R:44(減速比2.588))
チェーン D.I.D製520サイズ 520VMシルバー

今回はピストン、クランク、カム等のエンジン主要パーツのグレードアップにより排気量は400cc→522ccに拡大。
それに伴いパワー、トルクとも以前の仕様に比べ格段に上昇したため、とりあえずスプロケットのフロント側を1丁増やし
て(フロントを1丁あげると、リアを3丁少なくした程度の変化がある)

AFAM520サイズ F:17/R:44(減速比2.588)  にしてみました。

これで5速3500rpmで85q/hくらいです。感想としては、高速巡航するには若干ショートかなって感じるところはある
ものの、街乗りなどのストップ&ゴーを繰り返すような場合、かなり楽しめる仕様だと思います。

ボア、ストロークの拡大により根本的なパワーやトルクが上昇したため、ヨシムラST-2という高回転型カムにもかかわらず
400とは比較にならないほどのトルク感(ドコドコってやつですね)を5速2500rpm位の低回転域でも十分に感じることができ、
そこからアクセルを開けていくと、かなりの加速感で回転が上昇していきます。
もちろん低回転域での挙動も非常に安定しているので、スゴク走りやすい印象です。

この仕様だと、シグナルスタートでは、その辺のミドルネイキットを軽く一蹴するくらいのダッシュを披露してくれます。
また上昇中も挙動は安定しているため、ストップ&ゴーの多い街乗りでは若干ショートかもというくらいが意外に乗り
やすいのだろうという印象を受けました。

ただ高回転までまわすと、4.5速はともかく、ギアレシオの低い1.2速ではすぐ吹けきってしまう感じ(ノーマルのミッション
が悪いと言ったらそれまでですけど)です。ですので高速巡航なんかはもっとロングでもいいかな〜とは思いました。
タイトなコーナーが連続してるような峠だと、意外と楽しいかも・・・なに分タイヤがタイヤなんであんまり攻めてません(笑)

◇VOL.3◇

 VOL.3仕様
エンジン ヨシムラ522cc+ST-2カム+ポート研磨他
キャブレター ケイヒンFCR41φ+ファンネル
マフラー ベルトラン製 レーシングアップマフラー
プラグコード ノロジーホットワイヤー
ミッション ノーマル
タイヤ ダンロップ TT-900 前後17インチ
スプロケット AFAM製520サイズ F:17/R:38(減速比2.23)
チェーン D.I.D製520サイズ 520ERV
前回から動力系ではマフラーをベルトランのレーシング、プラグコードをノロジーに変更。同時に前後リムを17インチに
タイヤをTT-900に交換、これにより、かなりハードな攻め仕様のSRに大変身!
リア17インチでタイヤも当然小径になってますので、今までのリア18インチ仕様とは、同じ減速比でも17インチ仕様の方が
当然加速型と言うことになります。
そこで今回は「九州仕様!超ロングバージョン」

AFAM520サイズ F:17/R:38(減速比2.23)  にしてみました。

この仕様で5速3500rpmで95q/h強ってところですね、ホントに最高速仕様です。
感想としては、2速、.3速の使い勝手が非常によくなりました、今まではわりと早めにシフトアップしていたんですけど、
今回の変更でかなり上まで引っ張れるようになり街乗りでは主に3速を多用してます(80qくらいまで)。

4速、5速に関してもそれほど乗りにくいといった感じはしないですが、レーシング仕様のマフラーのため、低回転域の
トルクが不足かなとの印象はありました。でもそれを補って余りある高回転域のスムーズさをもってるんで、その辺は
個人の乗り方によって意見の分かれるところかと。
一応シャーシダイナもで計測した時は、200q/hの大台をサクッとぶち抜いてくれました(風の影響とかまったくない
ですからね、普通の公道じゃ身がもちませんし、そんなに出ませんw)

今回のコンセプトが「高速ツーリング仕様」ってことだったんで、その観点からいえば非常に楽な仕様です。
特に5速4000rpmのあたりでの楽さはノーマルとは雲泥の差、軽く100qオーバーで巡航できますし、回転数が低いので
不快な振動も少ないです。

ただいざ峠を攻めるとなると、正直加速に不満が残ります、コーナーの立ち上がりでアクセルをあけていってもバイクの
ポテンシャルのおいしい部分(5000rpmからの加速)が使えていない感じがちょっと不満ですね。
ですので次交換するとしたら、リアを41丁か40丁で試してみたいです。