「造成地をお借りして芝居小屋を建てよう。そこで田舎芝居を
やったらどうか。」6月頃だったと思う。しかし庄和会のメンバー
も多忙な人が多い。具体的な作業に入ったのは10月の初め。
10月16日の役員会で初めて役割分担を決定し、それから準備
にとりかかった。
芝居小屋の建設は、城友会のご指導をいただきながら、光永
建設さん、樋口組さんの絶大なるご協力のもと、資材の提供も
いただき会員総出の作業となった。延べ4日間をかけての芝居
小屋の建設となったが、4日のうち2日が雨の中での作業。この
間の皆さんの熱意とご協力には頭が下がる。
また庄和会は財政難と知ってか、会場造りの昼飯は奥さん
方の手作りのむすびとブタ汁の差し入れをいただいた。
こうした奥さん方の陰のご協力も大変ありがたかった。何として
も成功させたいという気持ちになる。
一方では、田舎芝居を見に来ていただけるのだろうか、最後
まで不安があった。ところが日を追う毎に「芝居をやるらしいが
楽しみにしとるで!」「大変じゃろうけど、ガンバッテョ!」という
地域の皆様の期待や多くの励ましをいただくようになった。もう
止められない。
しかし、せっかくの芝居小屋も雨が降っては何もならない。 日
が近づくにつれ、悪い方にばかり考えてしまう。今年は町民運
動会も雨で中止。秋祭りの鉦太鼓踊りも雨。「二度あることは
三度ある」とよく言う。しかし、考えてみると芝居小屋の棟上げ
の日も雨だった。「三度あることは四度ある」とは聞いたことが
ない。インターネットで天気予報を一日何回も見てしまう。週間
予報で雨の予想がいったん晴れに変わった。しかし、それもつ
かの間、雨の予報に急変する。これほど気象庁を憎らしく思っ
たことはない。
そして、当日は予報どおり朝から雨。会場の準備をしなが
ら「昼頃には雨があがるらしい。」そして昼になると「5時ごろに
は・・・」と勝手に皆が予想する。また「雨男はダレネー!」と、な
んとも辛い言葉も飛び出す。
もう会場の変更は出来ない。皆さんのご苦労によって完成し
たせっかくの芝居小屋。雨が降ってもここでやりたいという気持
ちになる。観客席は夜露をしのぐため、もともとシートを張るこ
とにはしていた。しかし、そのシートも雨の重みでもたなくなっ
た。芝居小屋の屋根からも雨が漏れ出す。あわててシートを重
ね合わせて何とか開演に間に合った。
「雨だから人の入りが少ないかも」と皆が心配していた観客
席も、開演前にはすでに大勢のご来場をいただいた。そして涙
を拭きながらの「情けの十手」に、ほっと胸を撫で下ろす。
「良かったよ!」「大変じゃったね!」公演が終わって多くの
方々から労いの言葉をいただいた。この頃ようやく雨があがっ
ていた。
今、一ヶ月間の皆さんの苦労を思い出す。只々、感謝に絶え
ません。
会員並びに会員の奥様方への感謝と、地域の皆様のご協力
に対し心より厚く御礼申し上げます。
「さくら座公演」 開催日 平成13年11月3日

満員御礼でした 売店も盛況でした
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