何から取り上げようかと悩んだのですが、時期が時期なので終戦関連か原爆関連にしようと思い、僕は広島在住で父親は被爆者手帳を持っている等などで原爆関連に決めました。
よく「原爆を落とされて当然」「戦争だから仕方が無い」とか「日本が悪い事をしたからから仕方が無い」とか目や耳にします、ひどいものでは「落としてくれてありがとう」とも思える内容の物もあります、許せないと思います。
そんな発言などをする人は当時の惨状を理解しているのか? また今尚後遺症に苦しむ原爆被害者の前で同じ発言ができるのだろうか?人格を疑いたくなります。
「悪い事をしたから」悪い事とは?仮に自分の家族の誰か一人が他人を殺害したとする、その仕返しにお前の家族は悪い事をしたからと言って親兄弟 親戚まで殺されるのは正しいって事か。「戦争だから」で原爆使用を許せば戦争中に行われた全ての事を許す事になると思う。
当時、原爆の開発研究は複数国で行われていましたが実用化したのはアメリカ一国で おまけに使用した国もアメリカ一国です。
アメリカはドイツより先に実用化したいと考え、1942年8月『マンハッタン計画』と称し原爆開発をスタートさせます、この計画には最盛期に10万人以上が参加し多くのユダヤ人科学者・技術者も参加しました。当時ナチスによって迫害を受けていたユダヤ人が計画に参加するのは納得できる事だと思います、またドイツ敗戦後にこの計画から外れるユダヤ人科学者・技術者もいたそうです。
そして1945年7月16日初の原爆実験に成功します。
と考え本やインターネットで調べていくうちに色々な疑問が出てきました。
もともとドイツに先を越されたら・・・・・と始まった計画にしては 一度もドイツを投下目標にする計画は無く、初めから日本に投下する予定だったと思わずにはいられません。
原爆完成当時ドイツは敗れていたからと思うかもしれませんが、1943年の時点で投下目標は日本と決められていたみたいです。
1943年ドイツはソ連戦に苦戦し勢いに陰りが出てきてたから日本に決めたのか?しかし原爆が投下された時の日本は勢いどころかまともに戦える状態ではなかった事を考えると これも違う気がする。
人種差別も関係あるのか?
『戦争を早期終結し多くの人命を救った』『日本がポツダム宣言を無視したから、日本が降伏しなかったから』これは全く信じられないと思います。
原爆投下前にサイパン〜フィリピン〜沖縄を失い海上航路は麻痺し物資は底を付き 国内の主要都市の殆どは焼き尽くされ、日本の継戦能力は無しに等しい状態でした。これは日本もアメリカも解っていた事で、更にソ連が参戦することを知っているアメリカは原爆投下や本土決戦を行うまでも無く 日本は敗れる可能性が高い事も解っていたと思う。
よくポツダム宣言は1945年7月17日から始まったポツダム会談で決まったとの間違いがあります、ポツダム会談はドイツの戦後処理等を話し合った会議です。
会談の為ポツダムにいた当時のアメリカ大統領トルーマンに原爆完成の報告が入ります、そこでそれまではソ連に対日戦参戦を呼びかけていましたが ソ連のハンガリーやその他の国の支配や戦後処理の方法で問題が出てきていたのでソ連抜きで日本を降伏させたいと考えます。(このへんから冷戦が始まったのかもしれません)
そしてポツダム宣言の草案をチャーチルに提示し重慶(中国)の蒋介石には連絡をとって これら3首脳が日本に降伏の機会をあたえる目的で、1945年7月26日発表されたのがポツダム宣言です。
またポツダム宣言には「国体護持」に関しての明記がなく日本が即決しにくい内容でした。
日本はポツダム宣言を知る以前からソ連に和平交渉を行えるように頼んでいました(既にソ連は日ソ不可侵条約を破り対日戦に参戦する事を決めていたので全く望みはありませんでしたが日本はそれを知らなかった)。
この日本の行動は戦前から日本の暗号の殆どを解読していたアメリカは当然察知していたし、ソ連からも情報がもたらされていたので確実に解っていたハズ。
ソ連が日本の唯一の望みだったので、原爆投下無しでもソ連が参戦すれば日本の継戦意志は失われていたと思います。実際に日本はソ連参戦後一気に終戦へ向けて動き出します。
少々重複しますが、もともとアメリカは満州の日本軍に脅威を感じソ連の参戦を望んでいました、1945年2月に行われたヤルタ協定でソ連の要求と引き換えに、ドイツ敗戦後3ヶ月以内に対日戦にソ連が参戦する約束を交わします。
しかしアメリカはソ連の手を借りなくて済むならそれに越したことはない、それが原爆完成によって実現可能になった訳です。
原爆完成後 アメリカは原爆完成とポツダム宣言の内容をソ連に伝え ソ連は8月中頃に対日戦に参戦する事をアメリカに伝えます。
ソ連はポツダム宣言に「国体護持」を明記したら日本は降伏に応じる可能性が強いと考え それまでに参戦しようと参戦時期を早める事に決めます。
アメリカはソ連参戦前に原爆を使用し日本を降伏させたいと考えます。
そして8月6日広島に8月9日長崎に原爆が投下されました。
その後、朝鮮戦争でもベトナム戦争でも核兵器が使われる事はありませんでした 『戦争を早期終結し多くの人命を救った』と言うのなら何故使わなかったんだ?
アメリカには 日本のある民家ではネジを作り その隣の家ではナットを作っているから全て軍需産業に関わっていると大嘘を付き、都市を次々と焼け野原にし民間人を虐殺した経緯がある。そんな事を言い出せば子供は大きくなったら兵隊になる可能性がある 女はその子供を生む事が出来る 全て殺しても構わないって事になる。もう嘘が通用しなくなったからか使用できなかったのか?
原爆が完成するまでポツダム会談を遅らせる工作をし、ポツダム宣言では意図的に日本が即決できない内容に替えたばかりか ポツダム宣言発表前に原爆投下が決まっていたとの説もあり、意地でも日本に原爆を投下したかったものと思えます。
1945年 既に日本上空の制空権もアメリカが握っていたので何処へでも原爆を投下できたはず、仮に戦争終結だけが目的ならば 人口密集地を避け警告を出した後に投下しても十分威力を見せ付ける事が出来たと思う、その後 次は○○の都市へと警告すれば良かったのではないでしょうか?
多くの民間人が住む人口密集地広島に原爆投下後 わずか3日後にまたしても人口密集地の長崎に原爆を投下した理由は?
●莫大な費用と時間を費やした新兵器を威嚇で使うのは勿体無く使わないのは尚更駄目
●日本敗戦後の戦後処理を有利に進めたい
●人体実験、都市の破壊実験
●次の仮想敵国に威力を見せ付けたい
日本敗戦後の戦後処理を有利にし ついでに実験が出来る が主な理由で原爆が投下されたのではないかと思っています。
ここまでは僕の勝手な思いがあるので勘違いなどもあるかもしれませんが、2発の原爆によって20万以上の人命が失われ、未だ後遺症に苦しめられている人が多数おられることは事実です。
また広島・長崎に投下された原爆より何倍も破壊力の高い核兵器をアメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランスは今日確実に多数保有していて保有疑惑国も複数国あります。
核兵器使用は1度たりともあってはいけない事でした、いかなる理由があるにせよ これ以上繰り返させてはいけないのです。
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