エンフィールドの一年


4月1日
晴れ


記帳者:主人公


今日は、俺の帰還祝いと無罪確定一周年を記念して、アリサさんが俺の友人たちを呼んでパーティーを開いてくれた。

参加してくれたのは、まず、パティ。次にシーラ。それからアレフ。

まあ、この3人は、あの1年間俺に協力してくれたんだから呼ぶのは当たり前だ。

もっとも、アレフは

「男のパーティなんか、ホントは行きたくねーんだけどな。」

などとほざいてたが。じゃあ出るなよ。
 
 

後は、いつもの連中アルベルトの馬鹿が乱入したことも書いておこう。
 
 

あいつのセリフは完全に聞き流したので何を言っていたかは覚えてない。

ただ、アリサさんに「参加していきませんか?」と、(あーあ、よけいなことを)呼びかけたのに対して、

「胃、IE!勤務途中なので、射、いや、やパリ参加しましょう!!」

などと、支離滅裂ながら意味のある文章で返答しやがったことだけはしっかりと覚えている。

我ながらよく理解できたものだ。

もっとも、その後にリカルドのおっさんにチクることは忘れはしなかったが。
 
 

まあそんなことよりも、今日一番書きたかったことを書いておこう。

パティのことだ。
 
 

昼間っから酒を飲んだせいか、酔いが早く回ったので、酔い冷ましついでにジョートショップの外をうろついた。

そうしたら、パティのやつがわざわざ探しに来てくれた。

もっともあいつは、

「アリサおばさんに頼まれただけだからね! 勘違いしないでよね!」

と言っていたが。そんな嘘を見抜けないとでも思っているのかね、あいつは。

それとなくアリサさんに聞いてみたら、「そんなこと言ってない」ということだし。
 
 
 

その後、歩きながら話をしていた。

俺は、この一年間で、どこを旅していたか。

パティは、この一年間、エンフィールドで何があったか。
 
 
 

第三部隊隊長とやらもご苦労なことだ。

おっさんの娘のトリーシャに、俺が本体を見つけてやったローラ。それと(悪いが)鉄面皮のイヴ。

あの、クセのある三人をよくもまあ操れたものだ。

そういや、おっさんにチクった時、なんかピリピリしてたな。

第三部隊隊長とやらと何かあったのか?
 
 

それにしても、変われば変わるもんだ。

本当にあのパティか? と思うほど丸くなっていたし。

あれでスカートをはいてくれたら、文句は全くないんだがな。

そこんとこをためしに聞いてみたら、「イヤよ!」とまあ、つれないお返事だったし。
 
 

気がつくと、祈りと灯火の門の前まで来ていた。

なんか一年前を思い出して、気恥ずかしくなったな。

こっそりとパティの方を見ると、赤くなっていたようだったから、あいつも思い出していたんだろう。
 
 

ほんと、何の気まぐれだったんだろうか。

「あのときの続き、するか?」なんて言っちまったもんな。

自分で言ってて、ドキドキした。

でも、パティが「……いいよ。」って言ったときにはもっとドキドキした。
 
 

今回は、邪魔は入らなかった。
 
 

「また、邪魔が入るかと思ったのに。」そんなことを言っていたな。顔を完熟トマトにして。

「入っていても続きをしてたさ。」なんて、我ながらキザなセリフを言ったものだな。
 
 

直後、殴られて、「エッチ!」と言われたが。

今更だろーが。
 
 

その後、お定まりの口喧嘩。

あーあ、もういいや。
 
 

でも、嬉しかったんだからな。パティ。


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