成長日記

【2003年・モーくん6歳】

11月23日(日)家族の絆(合同お遊戯会)

舞台の正面に用意された、次に演技する児童の保護者用の席。
その2列目の席にモーパパと並んで座り、午後の開演を待っていた。
なんと午後の部初っ端にモーくんの劇、4番目にトラやきのお遊戯があって
6番目にモーくんの武蔵…と、めまいがしそうなプログラムである。
ちょうどお昼休憩に入ったところで、開演まで1時間近くあるけれど
既に二人とも衣装に着替えて、舞台の袖で待機している。
モーくんはちゃんと待てているだろうか…
心配で仕方ないけど、後はもう祈るだけだ。

開演10分前を知らせるブザーが鳴り響いた。
舞台中央のマイクが自動でするすると上がるのを見て、
心臓が喉から出そうなほどの緊張感が一気に押し寄せる。
観覧席の照明が落ち、いよいよ舞台の幕が上がると
赤いドレスを着た数名の女子園児達が正面に並んでいた。
そして舞台の後方に目をやると、モーくんが旗を持って立っている。
「いたいた、モーくんだ!」
やがて女子園児達が交互にマイクの前へ行って、
ストーリーの紹介を始めた。

〜アリスが夢の中で行った不思議の国で
たったひとつしかない時計が2時45分で止まってしまいました。
トランプの国でも女王様が大好きなケーキを食べられません。
腹を立てた王様がアリスのせいだと言って
捕まえてしまいます。
そこに正義の味方A&Zが現れて
時計を直してくれました〜

音楽が流れ、モーくんほか11人の男子園児が
リズムに合わせて手を振って歩き、後列から前列へと進んだ。
それぞれ1時から12時までの時計の役のようだ。
1時の子がマイクの前に立ち、音楽が止まると
ひとりずつ交代でマイクへ進み、セリフを言って旗を持ち上げる。
2時、3時…そしていよいよモーくんの番。
あまりにドキドキして心臓が止まるかと思うほどだった。
マイクに進み、ちょっと照れくさそうな顔をして一瞬間をおいた後、
「ぼくは、時計の5時を守っている、5時くんです。」
ゆっくりゆっくり、でもはっきりとそう言って旗を揚げた。

「やった!言えた言えた、すごいモーくん!」
たったそれだけのセリフに一気に涙で目が潤んだ。
妹と一緒に後ろの席で見ていたばーばも
恐らく泣いていただろうな。
その後も、一人だけのセリフはなかったけれど
みんなと一緒にマイクの前に立ってセリフを言ったり、
舞台に出たり引っ込んだりしながら演技をしていた。
初めての劇で、モーくんは自分の役をやり遂げたのだ。
その後のお遊戯もまた、去年以上に素晴らしい出来だった。

ただ、モーくんの衣装の着付けにモーパパと二人で手を取られて
モーくんの劇とお遊戯の間に行われたトラやきのお遊戯が
最後の一瞬しか見られなかった。写真も撮れていない。
もしかしたら私達の姿を探しながら踊っていたかもしれないのに、
「ママ、トラくんがんばったよ。一番上手だったでしょ?」と
健気に笑顔で話すトラやきを見て、また涙が出そうになった。
「うん、すごくカッコ良かった。ママ、絶対忘れないからね。」

最後のフィナーレでは、年長園児は先生方とステージに並び
年中園児は通路に並んで全員で蛍の光を歌った。
先生方と一緒にステージに並んで歌っているモーくんは
1年前とはまるで別人のように見えた。
去年は自分の出番が終ると会場にいることができずに、外で時間を潰した。
そしてフィナーレに戻ってはきたものの、ウロウロしたり寝転がったりして
とても歌を歌えるような状態ではなかったのだった。
今年は他の園児達の演技に「すごーい」と拍手を送りながら
会場から出ることもなく、私達も一緒に楽しめる余裕が十分持てた。
よく1年間でここまで成長したものだと感慨に耽っていると
先生方と子ども達の歌う蛍の光がハミングになり、
園長先生が挨拶をされていた。

「子ども達は一生懸命歌いました、踊りました、演じました。
この可愛い姿は、皆様の心に焼き付いて
いつまでも忘れることはないでしょう。
そしてこの子ども達と同じように、皆様方も手に汗を握り
胸をドキドキされながらご覧になったことでしょう。
それこそ親であり、家族なのです。
その暖かい思いこそ愛なのであり、家族の絆なのです。」

その言葉に、ふと目が覚める思いがした。
これまでモーくんだからこそ、この感動があると思ってきたけれど
そうではないような気がしていた。
ここにいる人たちは皆、親として家族として同じ思いでいるのだ。
決して自分達だけが特別なのではない。
また、ハンカチで目頭を押さえながら歌っておられる先生方。
この日のために練習を重ねてきた日々は、さぞご苦労だったに違いない。
それでも私達と同じように愛情を注ぎ、子ども達の成長を喜んでくれている。
そう思うと、また改めて感謝の気持ちで一杯になった。

夕方、留守番していたじーじとみんなで食事に出かけた。
「じーちゃんも、ばーちゃんも、みんな一緒!」とはしゃぐモーくん。
そう、私達は家族。モーくんへの愛情で、私達の絆は強くなっているよ。
だからこれからも一緒。そして、いつまでもあなたのことを見守っているよ。

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