栽培管理

1 ねらい
田植えを終わると、稲は活着に向けて動き出し、さらに有効分株、幼穂形成、出穂、成熟と成長していくが、この間自然界の恵みを受ける一方、数多くの脅威にもさらされる。米作りは双方の課題を念頭に、気象天候状況を観察しつつ、稲体の状況を見極めながらの管理が大切である。
2 恵み
土と太陽と水(稲は3つの恵みを利用し、同化作用を起こし、栄養分を形成し、成長因子を作る)
3 脅威
病気 害虫 雑草 台風等の気象条件
4 管理
@水管理
  1. 田植え後3〜5日ぐらいは、やや深め(5cm)の水
  2. 除草剤撒布のときは深水(5cm)とし、撒布後5日間は5cmを保つ。この間は水の流入出を避ける(本年度はまかなかった)
  3. その後、7月3日ごろまで浅水(3cmぐらい)とし、有効分株を促進する
  4. 7月3日ごろより、7月10日ごろまで間断潅水(土中に空気を入れ、稲に酸素を補給する)
  5. 有効分株終期(7月10日ごろ)となると中干し(中干しは軽く足跡がつく程度とする。無効分株をとめる)
  6. 中干しを終えると、走り水潅水をし、徐々に間断潅水(中干し後、急激な大量潅水は根に障害を起こす)
  7. 間断潅水は出穂10日ぐらいまで(8月中ごろ)
  8. 出穂10日前ごろより出穂完了までは浅水(3cm)とする
  9. 出穂完了時から30日間は間断潅水
  10. 落水は刈り取り7日前ごろ(9月28日ごろ)
A除草
水田には、ノビエ、マツバイ、ウリカワ、ホタルイ、オモダカ、カヤツリ等の雑草が生えてくる。除草を怠ると、雑草の繁茂により、稲の生長を妨げるほか、株間の空気流通が悪くなる。日光の遮光が起こることにより、病気及び害虫の発生が起こる。
  1. 除草剤による除草
    田植え後7日目に行う。薬剤ダブルスター10aあたり1kg(7セで700g)
  2. 児童による除草
    どんな草が生えているか、ノビエと稲の見分け方(白い節のところに毛が生えているのが稲、ないのがノビエ)等の研究課題のほか、炎天下での作業を体験する。
B病害虫防除
病害虫の発生はその年の天候、気象条件等により左右されるがおおむね田植え後20日ごろより発生を見る。
学校田ではこれらの予防として、田植え前に箱苗に薬剤を撒布しているのでおおむね8月ごろまでは発生を見ることはないと思われる。それ以後の本格発生に対しては天候の状況と稲の状況を見極めながら薬剤の撒布対応をとる。
C施肥
  1. 中間肥1  珪酸カリ 10aあたり20kg (7セで14kg)  7月12日
    田植えをした稲は田植え前に施した基肥を吸収し、分株する。さらに背丈も伸び大きく成長するが、8月初めになると成長が止まり、幼穂ができはじめ、出穂期を迎える。この時、稲体を強健にする必要がある。そのためには根張りをよくしなければならない。
  2. 中間肥2 ファーマーズ544 10a当たり15kg(7セで10.5kg)  7月30日(出穂21日前予定)
    稲の成長が止まり、8月1日ごろには幼穂ができはじめ、いよいよ出穂を迎える。この時期稲はさらに養分を必要とする。大きい穂を作り、収量を増大するための施肥である。
  3. 中間肥3 ファーマーズ544 10.5kg  8月13日(出穂13日前予定)
    いよいよ出穂するにあたり、養分補給として施肥する。


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