■…2005年 6月 8日 (水).......日本とオーストラリア
ただいま算数では折れ線グラフを学習中。今日は東京とシドニーの気温の変化の様子を学習した。

東京で気温が一番高いのはもちろん8月。だが、シドニーは1,2月。
逆に気温が低いのは、東京が1月で、シドニーは7月だ。

このことをグラフからつかんだSさんは、叫んだ。

「ええーっ!シドニーって夏が冬なん!?」

「や、夏はちゃんとあるし」

季節が逆になることが分かったUくんは、思いついた。

「じゃ、4月からは日本にいて、10月からシドニーに行ったら1年中あったかくていいね」

「そうだね♪」

「でも、お金かかるじゃん!!無理だよ!」

ちゃんと現実をわきまえているところもあるんだ。

No(356)


■…2005年 6月 9日 (木).......将来の夢
昨日日本がワールドカップに行けることになった話から、サッカーをやってるFくんが言った。

「でも、俺サッカーの選手にはならんけぇ」

「ふうん、なんになるん?」

「俺ねぇ、獣医さんか動物園の飼育係になりたいんちゃ」

ふうん・・・でも今の成績じゃちょっと無理かもしれない・・・と言う気持ちをこらえて私は言った。

「へぇ!獣医さんか。獣医さんやったら解剖とかせんにゃいけんねぇ」

「カイボウってなに?」

解剖を知らんのか。ここで、動物を切り刻むとか、分解するとか言ったらエグいなぁ。

「手術せんにゃいけん、ってことよ」

「ええっ?手術?」

「そうよ。だってお医者さんじゃん。病気になったら手術するじゃろ?」

「ええっ、俺、怪我とかして、みがでたりしたら、げーっとかなって、見れんし」

「じゃ、だめじゃん」

「じゃ、動物園の飼育係でいいよ」

しかし、獣医に未練があったのか、Fくんは、その後しばらくして、

「でも、やっぱり獣医さんになるかもしれん。だって、大人になったら平気になるかもしれんもん」

そうだねー。そうなるといいね。私はいまだに手術シーンとか正視できませんが。

No(357)


■…2005年 6月11日 (土).......何が言いたいんだ?
国語でヤドカリとイソギンチャクについて学習中。

ヤドカリはくっつけたら重くなってしまうだろうにイソギンチャクをくっつけようとするのはなぜか、という問いに対する答えの部分をさがそう、という部分。

授業もつつがなく進み、さあ、まとめて終わり、というころになり、私が話していると、お子様が
「え!?」
と言って、こっちを見た。

「ん?先生、今、貝殻に貝殻をつけて、って言った?」

「ううん、ヤドカリに貝殻をつけて、って言った。」

ヤドカリが貝殻をつけてるのは当たり前じゃん。何を言ってるんだ、私は。

「おお、ごめん、ごめん、ヤドカリは貝殻をつけて、じゃなくて、貝殻にイソギンチャクを・・・?あれ?貝殻じゃないか。貝殻はもう生きてないし・・ヤドカリは、何をつけるんだったっけ?」

「イソギンチャク!」

お子様に答えさせて終わりました。金曜日の最後の授業。お子様も笑って終わりましたとさ。

No(358)


■…2005年 6月13日 (月).......俳句と川柳
先日宿泊学習に行ってきたんだが、そこの所長さんがなぜか、「俳句のお土産を持って帰ってください」と話し始め、

「目に青葉 山ほととぎす 初がつを」

を覚えて帰ることになった。ついでなので、6月は有名どころの俳句を覚えちゃおう、といくつかプリントして渡したら、五七五のリズムにはまってしまって、なんかいろいろやりだした。

「先生、できたできた」
「なに?」
「ケンタッキー 歯が折れるから 食べられん」

歯が折れたんですか?しかし、ほかのお子様から、季節の言葉が入ってないと指摘されたので、そういうのは川柳という、と話した。

あとから、Kくんが、5文字の名前の鈴木たく(仮名)くんの名前で、作ったと言うので、聞いてみたら、

「鈴木たく たく鈴木たく 鈴木たく」

なんじゃそりゃ?思わず、

「松島や ああ松島や 松島や」

を思い出したぞ。

No(359)


■…2005年 6月14日 (火).......俳句その2
俳句のプリントを配ったのは昨日なのに、だいぶ覚えているのには驚いた。さすがお子様、吸収力は早い。
授業の時間が中途半端だったので、全部覚えた人はチャレンジしてみることにした。
みんなの前では緊張してなかなか言えないものだ。
そして、日ごろ使わない言葉は難しい。

春の海 ひねもすのたり のたり哉

の「ひねもす」・・・「ひもねす」と間違えるお子様数人

一番笑ったのは、

「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」

を言おうとしたFくん。

「やせがえる まぬけな・・・・?あれ?」

かの一茶も間抜け呼ばわりでは・・・・

No(360)


■…2005年 6月16日 (木).......男の子って・・・
理科の電気の働きも最後の勉強。今まで電池を使った回路は電池ホルダーを使ってつなげていた。しかし、日常生活では、直接電池がつながっているものも多い。そこで、今日は最後に、直接電池をつなげながら豆電球をつける実験をした。

お子様は直接電池と電池をくっつけても豆電球がつくんだ、と感心していた。
もちろん直列につなげば、2個より3個の方が明るくなる。さらに、4個や5個でも・・・というと、お子様の顔が輝いた。

「でも、やってはいけません」

途端にがっかり顔だ。
「なんで〜?」

「あのね、風船を膨らましすぎると割れちゃうように、豆電球に強い電流を流しすぎると、切れちゃうからです」

お子様はしぶしぶ3個までつなげていた。それでも、十分明るい。

しばらくして、とあるグループが聞きに来た。

「先生、どうしても4個とか5個とかつないじゃだめ?」

「だから、切れるかもしれん、って言ったでしょ。こわれちゃってもいいんならやってもいいけど?自分のなんだし」

これを聞いて、俄然張り切るお子様。みんなの電池を持ち寄ってきた。
「10個だ、10個!」

しかし、豆電球のコードが短い。
「うう、足りるとこまでやろーや」

7個で限界のようだ。

「よし、いくぞ」
しかし、内心ドキドキしているようだ。
「ウォッ!」
なんて声が出たりしている。そんでなかなかつけられない。

「大丈夫、爆発したりせんから」
おそるおそるやってみると、ものすごい明るさで電気がついた。
お子様、大興奮!

よくよく考えたら、強力懐中電灯だって、光源は豆電球じゃないか。
と思ったが、耐久性が違うのかな。

もう一度チャレンジしようとしたがなかなかうまくつかない。
うまく電池が並んでいないと電流が流れないし。
そして、豆電球は一度ビカッと光って消えた。そして何度チャレンジしてもつかなかった・・・・そう、切れちゃったのである。

しかし、それすらもお子様の興味の対象だ。豆電球を覗き込んで、
「本当だ、切れてる!」

未知のことがこうして既知のもの、となっていくんですねぇ。

No(361)


■…2005年 6月20日 (月).......どっちでもいいのか?
今朝宿題を提出してもらったら、1枚足りない。出してないのはだれ?と聞いても名乗り出るお子様はいない。いいさ、それならチェックするまでよ。

チェックしていたら、Iくん、Tくん、Hさんのがない。2枚は名無しだ。
つまり、一人が忘れて二人が名無しなのだ。

「3人のうち、忘れたのはだれなの?」

おずおずとHさんが手を上げた。「忘れたんなら早く言いに来てくださいね。チェックするの大変だし・・・で、IくんとTくんは出したプリントに名前を書いてよね」

と名無しのプリントを黒板にはった。二人は前に出てきて、2枚を見比べている・・・が、よく分からないらしい。そのうちTくんが言った。

「うーん・・・・ま、こっちでいいか」

みんながそれを聞いて爆笑。

「えー、そんなんでええん?」

No(362)


■…2005年 6月21日 (火).......欲しいのか?
給食のときは席順にしたがって4〜6人のグループになって食べている。
私の席の一番近くのグループのSさんは、やたら食べ方の行儀にうるさい。

「こうやってひじをついて食べちゃいけんの」
「口をあけたまま食べたらうちではぶちおこられるんじゃけぇ」

などなど。今日はそんな話をしつつも、違う話も聞こえてきた。

S子:「よくさぁ、あ、これかわいい、って言う意味でさぁ、これかわいくない? って言い方するじゃん」

みんな:「うん」

S子:「でさぁ、「うん」って言ったら「かわいい」って言う意味なんだけど本当は「かわいくない」って聞かれてるんだから「かわいくない」ってことよねぇ?」

K男:「うーん、そうかもしれんけど、そんなこと言ってたら彼氏に嫌われるよね?」

S子:「そんなこと言ったって、あたしら小学生じゃけぇ彼氏とかおらんし」

K男:「おったら天才じゃね」

H子:「それって、別に天才とは言わないんじゃ・・・」

最近何かと彼氏とか彼女とか言い出すKくん。彼女が欲しいのか?

No(363)


■…2005年 6月23日 (木).......蜂に刺される
それは1時間目が終わって、休み時間のときのことであった。

ろうかからKくんが泣きながら、

「もう〜!なんかが刺さった〜!痛い〜!」
と教室に駆け込み、座り込んだ。

何がなんだかわからないので、
「どこで?どこを?」

と聞くと、腕を見せてくれた。確かに小さな赤い跡があった。で、ろうかの方らしいので、連れ出して詳しく場所を聞いた。そこは、歯磨き用のコップが置いてある棚だった。棚にはカーテンがかけてある。そこだという。

跡の様子からムカデではなさそうなのに・・・とカーテンをめくると、

「あっ!蜂じゃ〜!!」
とKくんはその姿を見て、またわめきだした。
すぐに分からなかった私は、どこ?とさらにめくると、カーテンの裏側に確かに蜂が一匹止まっていた。大きかった。スズメバチだろう。
思わず、アナフィラキシー・ショックがあったら・・・という思いがよぎり、あわてて保健室に連れて行った。

蜂に刺された旨を話すと、保健の先生はお茶の葉をもってきた。お茶の葉に含まれるタンニン酸がアルカリ毒を中和するそうだ。ちょっともみこんだ後、ひたすら保冷剤で冷却。そのおかげでたいしたことにもならず一安心。

しかし、自分は何にも悪くないのに蜂なんかに刺されてしまったKくんはひどく憤慨して、処置されている間中、
「くそ〜、蜂なんか、殺虫剤で殺してやるんじゃけぇ!!」
と怒り心頭でした。

職員室でその話をすると、7m離れていても対処できる強力殺虫剤をくれました。

No(364)


■…2005年 6月27日 (月).......仏の顔も3度まで
ただいま算数では角度のお勉強中。分度器は不可欠なもの。
それなのにNくんは今日も分度器を忘れた。これで3日連続だ。

さすがに、しかたがないね、では済まされない。

「ずーっと分度器がないから、問題ができないでしょ?家でやってる?」

「やってません」

「どうするの?角度のお勉強できないよ?家にはちゃんとあるんでしょ?」

「ありません」

「は?」

「なくなりました」

「お母さんには言ってるの?」

「いいえ、まだです」

・・・・・・・・・・・・・・・私に忘れた、と言うより先にお母さんになくなった、と報告してほしい。

No(365)


■…2005年 6月28日 (火).......日記
日記・・・去年のクラスはきちんと題を書き、大体それに沿って書いていた。今年のお子様はそれができる人もいるのだが、

「朝起きて、顔を洗って、・・・・して寝ました。」

と1日のスケジュールのように書くお子様もまだ数人いるのだ。

「書きたいことをひとつ選んで詳しく書きましょう」
と言ってるが、なかなか伝わらない。
今日もその話になって、

「朝起きて、って朝起きない人はいないでしょう?だから書かなくてもいいの」

すると、Sくんが、
「朝起きないと思ったら死んでました。って書いたら?」

「死んだら日記は書けんでしょう?」

「ああ、そうか」

Kくんが笑いをこらえるのに必死でした。

No(366)