歓喜の声に 包まれている
椅子にかけ 県知事さんの 話し聞く
襲う睡魔と 戦いながら
新しき 校歌を歌う 今までの
盲学校と 違う気がする
初試合 得点板を 見て涙
次の試合に 闘志を燃やせ
久々に ノートを出して 読み返し
3年前の 自分に帰る
作文を やっと書き上げ 清書して
心は躍る 発表会に
保健室 ここで寝るのは 久しぶり
もう何年も ここに寝てない
緊張の 発表会が 始まった
胸の中には ただ鼓動だけ
叱られて 家に帰って つぶやいた
先生まるで 二重人格
誘惑に 負けてさぼった 部屋掃除
廊下を歩きながら後悔
先生は いったいどこへ 行ったのか
留守番電話 ピーッと響く
明日から 期末試験と いう日には
自分の部屋が 汚く見える
静けさの 中に響いた 鳥の声
何度触われど 地図は沈黙
キャンプ場 たった二人で 手をつなぎ
さ迷い歩く オリエンテーリング
びしょぬれの 靴下を干し 終わりゆく
学期最後の 冷たい掃除
あれこれと 計画立てて 夏休み
そのどれだけが 思い出となる
盲学校 怪談の無い 新校舎
一つぐらいは 不思議がほしい
厚紙に 太陽電池 はり付けた
メロディーカードで 「光の実験」
夏休み もうすぐ終る 二学期だ
長く短い 不思議な学期
学校に 行けぬとなぜか 行きたくて
いつも行けると 登校拒否に
会いたくて テレビの声に 涙する
中国にいる 先生想い
新しい 先生たちが やってきて
学校の中 声であふれる
グランドを 力いっぱい 走るとき
稲刈りをする 祖母の声聞く
帰宅して 「頑張ったね」の その言葉
聞きたかったな 母は稲刈り
数学が 悪魔のように 感じられ
だんだん落ちる テストに涙
遅れたと 廊下走りて パタパタと
足音響く 先生が来た
クラブ終え 電車の中で 立っている
充実感を 抱きしめながら
台風の 影響なのか すごい雨
クラブはやめて 帰ろうみんな
体育の あの先生は 苦手なり
ことあるごとに 言い合いばかり
ステップを うまく踏めずに 泣いている
なぜわたしだけ できないのかと
九州の 旅館の中で しかられて
トイレで泣いた 修学旅行
作文で 賞状もらい 誇らしく
胸を張りつつ 拍手を浴びる
先生を 見つけワンワン 鳴きたてる
盲導犬も 犬だったんだ
中国へ 行きし先生 思い出し
テレビの声に 先生捜す
22の 終業式を 待ちわびる
登校拒否の できないわたし
憂欝を 抱きしめ昇る 北階段
今日が始まる つらい一日
一日が やっと終わって また一つ
冬休みへの 試練が終わる
数学が ほとんどできず 情け無く
一人で泣いた だれも居ぬ部屋
今日もまた シューズを忘れ 情けなく
我の頭を 自分で殴る
委員会 「時間厳守」の 一言に
少し脅えて いる1時過ぎ
もし我が 鳥だったなら 今すぐに
中国に居る 先生の下へ
原稿が やっと完成 立ち上がり
子供のように 踊る先生
試験前 どの問題が 出るのかと
緊張をして 教科書開く
いつもなら すぐに寝ころぶ わたしさえ
勉強をする 最後の試験
何回も 練習をして 本番が
明日やってくる 送る言葉
祝電に あの先生の 名があった
中国からの メッセージだけ
中国に 居る先生の 夢を見た
夢の中では 日本に居る
自治をする ために作られた 生徒会
それなのになぜ 先生が仕切る
先生が ほとんど意見 言っている
こんな会議は 「生徒会」じゃない
仲間から はずされている 昼休み
ドラマの話し 外国語のよう
新学期 いつも会ってる 顔たちが
新しいように 揃って笑う
頼もしい 先輩一人 復帰する
演劇クラブ 今年もやるぞ
台本を なかなか読めぬ 友達を
励ましている 演劇部室
カメムシが ジャージの中に 潜り込み
美術の時間 授業参観
新しい 先生とする 初めての
理科、先生も 我も緊張
「部長さん」 呼ばれて「はい」と 返事する
わたしではなく 「部長さん」なり
わたしって いったい何を しているの?
存在感の 無い笛を吹く
縦笛も 打楽器も皆 練習し
心は一つ 国体に向けて
16秒 あまりにのろい 我の足
カールルイスと 入れ替わりたい
参観日 母は田舎で 鍬を持ち
田んぼの中で 働いている
演劇の 部室に響く 発声の
声を聞くとき 我はハッピー
「クローバー ファイト」と叫び 肩を組む
今日のクラブも 「充実クラブ」
「ピピおばさん」 役の名前で 呼び合って
頭の中は 演劇ばかり
給食を さっさと食べて 友達と
発声練習 「あえいうえおあお」
だらだらと 過ぎた去年の 夏休み
取り返すように 勉強をする
あかちゃんを 二人も抱いて 大慌て
いつもと違う 全盲先生
従順な はずの犬さえ 反抗す
先生、わたし 犬じゃないです
先生が 半分答え 出しました
社会の試験 甘いんじゃない?
考える 保健の試験 分からない
適当に書く まぐれで当たれ
給食で 久々に出た 好きな物
会議無ければ 食べられたのに
脱線し いつのまにやら 終わりゆく
国語の授業 だから大好き
社会科の 甘いテストは 92点
やっぱり甘い 砂糖入れすぎ
数学と 格闘してる 昼下がり
寝転がりたい 気持ち押さえて
委員会 チャイムぎりぎりまでやって
廊下を走る 全速力で
自習無し 卒業試験 どうしよう
勉強すると 眠くなります
数学の 超簡単な 作図さえ
考え考え 慎重にやる
1番に 「簡潔に書け」が 山ほどに
出された理科は はいさようなら
数学の 図形さっぱり 分からない
時間も無いし 気ばかり焦る
はり絵する 美術の試験 最高だ
こんな試験は つらくないから
朝早く 起きて社会の 勉強す
いい点取らなきゃ 先生怖い
70点以上取れれば いいじゃんか
いいほうなんだ そう思いたい
「悪かった」 この一言が 怖かった
70点の ライン超えても
いつのまに 始まったのか 雑談で
最後の保健 終わりゆきます
賞状を 久々に手に して思う
自由研究 思い出だなと
卒業の 証書を一人 取りに行く
たった一人の 卒業の式
胸に花 付けられやっと 実感す
我は中学 卒業なりと
ピンマイク 付けて最後の 練習し
胸は高鳴る 本番間近
入場の 前のスライド 懐かしき
思い出たちに 涙止まらず
一人ずつ 来る人に礼 しながらも
涙があふれ ハンカチぬらす
大好きな あの曲に乗り 今歩く
赤きじゅうたん 我が旅立ちよ
式辞聞き 反発をする 真実の
我が思いなど 誰に分かるか
送辞聞き 寂しさあふれ 涙する
「卒業なんか したくないよ」と
退場の ときに親友 泣いていた
わたしも泣いた 寂しさあふれて
親友と 最後に遊びたかったのに
挨拶回りで 全部潰れた
いるときは 大嫌いだった 我が母校
卒業すれば 懐かしき場所