激しい怒り ぐっとこらえて
ハイジャック テレビニュースを 父母と見る
些細なことで 喧嘩しながら
ドングリを いってもらって 一かじり
子供時代の 父を浮かべて
川岸で 母と並んで ハヤを釣る
時を忘れて 話ししながら
紙鉄砲 弓矢、竹馬 雪アイス
父が教えて くれた楽しさ
1度だけ 父の仕事を 手伝った
仕事は同じ それなのに今…
父と母 体育系で 我はなぜ
文系なのか 我は養子か
うちの鳥 大きな声で 鳴きたてる
母になついて さらに憎らし
いつもなら ボソボソ文句 言う父の
大きな声に そっと隠れる
うちの鳥 見事にぬれて 鳴いていた
風邪でも引いて 死ななきゃいいが
トントンと ノックの音を 聞く度に
どきりとしつつ 日記を消去
いつもなら とても静かな はずなのに
家が建つから ああやかましい
うちの鳥 わたしの指に かみついた
「駄目」と言っても 通じぬ言葉
大人たち 世間話に 花が咲き
一人子供の わたしは孤独
正月は 大人たちだけ 盛り上がる
親戚の家 我だけ子供
誕生日 家族揃わず 憂鬱で
家族のきずな 疑ってみる
父と母 ソフトボールの 話しして
話しは弾む わたしは独り
「早く風呂に 入りなさい」と 言われつつ
また寝転んで またしかられる
「もう一度 事故をしたい」と 言う母に
涙はこぼれ 机をぬらす
夕飯に 家族みんなの 笑い声
世界でいちばん 幸せと思う
「御飯よ」と 呼ぶ母の声 聞きながら
本を読んでる わたしが一人
文化祭 「忙しい」ばかり 言う父に
「絶対来て」と 必死にせがむ
久々に 父と二人で 喧嘩する
終わった後の 苦い沈黙
ノックする 大きな音に 飛び起きて
宿題をする ふりだけをする
「2学期の 最後の試験なんだから」
母の言葉は 右から左
それぞれの 部屋に帰って それぞれの
思いに沈む 親子の喧嘩
久々に 家族みんなで 喧嘩する
なぜか止まらぬ 涙の夕立
父親を 嫌うことさえ 成長と
言うべきなのか 中3の冬
父と母 ソフトボールに 行っちゃって
わたし一人で またお留守番
父と母 やっと帰って 来ましたよ
何だかとても 遅かったのね
餌を食む その頭にふと 手を置けば
わたしの犬の 確かなふさふさ
わたしには 兄弟がいた 仏壇の
写真の中に いるだけの兄
お兄ちゃん そう呼んでみる 実感の
無い言の葉の 寂しい響き
ミレニアム 入籍をした お姉さん
かっこいい彼 わたしもびびび
両親が 別居したいと こぼしあう
「一人ずつ住む」 わたしはどこへ?