変形性股関節症とは





●股関節

股関節(こかんせつ)は腸骨(ちょうこつ)、坐骨(ざこつ)、
恥骨(ちこつ)からなる寛骨臼(かんこつきゅう)=臼蓋(きゅうがい)と
この臼(きゅう)の中にすっぽりとはまる球状の大腿骨頭(だいたいこっとう)と
それに続く頚部(けいぶ)からできています。
股関節を整形する骨盤側の骨(臼蓋)部分の成形に異常が生じていることがある場合、
これを臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)といいます。
大腿骨頭に対応する臼蓋の被覆が少ないために、
軟骨に負担が生じ軟骨の破壊が起きるそうです。
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)とは、
臼蓋形成不全や生まれつきの変形、
関節炎(かんせつえん)や外傷などが原因で、軟骨(なんこつ)がすり減ったり、
傷ついたりして関節(かんせつ)が腫(は)れて痛みを生じ、関節が変形し、
機能障害を引き起こす状態をいいます。

成長の過程及び生まれつき、先天性股関節脱臼の治療をした人にも見られるが、
股関節の疾患などのない人にも多く見られ
10〜20代の若い頃には痛みなど自覚症状の無い事が多いそうです。
変形性股関節症の患者のうちおよそ9割が臼蓋形成不全、
先天性股関節脱臼を原因とするもので、
なかでも先天性股関節脱臼の患者の8割を女性が占めているという・・・

変形性股関節症の症状は、重い物を持った後や沢山動いた後に、
軽い痛みやだるさ、疲れを感じ、初期では一日程度でそれらは軽減してしまう。
また、痛みの生ずる場所は、股関節とは限らず腰や膝、腿などetc
5〜10年と長い年月をかけて進行していき、
最終的には寝ていても痛みを感じるようになり歩行困難になる。
というのが一般的に言われています。



●レントゲン計測値(カッコ内は正常値)

『臼蓋形成不全』の進行の可能性を知るには
レントゲンで角度や比率を計測し
臼蓋の深さや形状の発育の良し悪しの程度を判定して決定されます。
明らかに変形性股関節症が進行すると予測できる条件では、手術を勧められるそうです。


@CE角0度未満
ACE角10度未満でシェントン線が1cm以上離れている
BAHIが60%以下
C外側縁傾斜角がマイナス5度未満
D臼蓋深さ指数200以下







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私の足はこんなんです

病名『右変形性股関節症』:手術方法『大腿骨外反骨切り術』+『臼蓋形成術』


主治医からの『手術・検査説明書』より

1.病名・病態
変形性股関節症:股関節の形が変形して動きが悪くなり、軟骨が磨耗して痛みが出てくる病気
日本では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全に引き続いて起こることが多い。

2.手術
大腿骨外反骨切り術+臼蓋形成術:股関節のかみ合わせを改善するため
股関節の大腿側の骨を切って向きを変える。固定にはネジとプレートを使用する。
同時に骨盤側の外側に骨を骨盤から移植して体重のかかる部分を広げる。
術後は筋力トレーニングを中心としたリハビリをする必要がある。
術後約2年後にネジとプレートを抜く必要がある。

3.手術・検査の必要性、経過の予測
徐々に進行していく疾患であり、疼痛、動きの制限が強いため手術が必要。
術後約2ヶ月で杖を使用しながら日常生活に復帰できる。
将来の予測は困難だが、人工関節に欠点がある現在ではできるだけ人工関節手術を回避する、
あるいは遅らせることも本手術の目的である。

4.手術を行わない場合の危険性、経過の予測
徐々に関節の動きが失われ、疼痛も高度となる。屋外での活動が困難となる。
現在は骨切り術で対処できるが、将来は人工関節にせざるを得なくなる。

5.他の治療法の有無、内容と相違点
人工関節手術は短期間で痛みをとり、歩行能力を獲得するには良い手術だが、
人工関節の長期耐久性に疑問があり、若い患者さんには勧められない。
骨切り術は将来の関節変形を遅らせることができるかもしれない。
しかし完全に人工関節を回避することは困難なことが多い。

6.手術に伴うと予測される合併症、危険性
出血、創の感染、創内血腫、骨癒合の遅れ
右脚長がやや長く感じられ、右股関節が少し閉じにくい感じになりやすい。

7.通常は発生しないが、起こりうる重大な偶発症と対策
術後の寒栓症(特に肺寒栓):術後に発生する静脈血栓によるもので、生命の危険がある。
フットポンプを装着する。術後早期から足の運動を開始する。
できるだけ早く座位になるなどの対策をとる。

8.麻酔の方法・内容
腰椎からの下半身麻酔に静脈麻酔を併用する。



レントゲンの経過

術前

付けられた病名は『右変形性股関節症』
画面向かって左側(が右側です)の形がイビツなので
左右を比べて見ると一目瞭然。。。
骨頭は楕円形状・・・いわば潰れている状態だし首はないし
これじゃぁ〜痛いはずだわさっ
ちなみに、左足もプチ『臼蓋形成不全』ですが痛みのないうちは
あえて気にしない!!
術後2週間目

両足に体重を全くかけていないため
大腿骨の色が薄くなっているのは、骨が弱くなっているからだそうです。
約二週間のベット生活では、みんなこうなるらしい・・・
右足はボルトとプレートでしっかり固定。
『大腿骨外反骨切り術』はどこを切ったか分からないような状態で良好
しかし、『臼蓋形成術』の箇所は前後の形状変化が著しい。


術後2ヶ月目

左足を中心とした過重。右足は半分くらいの状態。
やはり左足はほぼ術前の色濃さに戻りましたが
右足は透いている感じ・・・
骨はある程度体重をかけないと強くならないそうです。
『臼蓋形成術』の箇所も、少しずつ馴染んできている状態。
隙間が埋まっているように見えるので、骨が一体化している証拠。
傷跡

ちょっとグロテスクですが、術後の傷跡です。
衣服の跡もついていますが(爆)
大腿骨側が約13cm・足の付け根側が約10cm
太もも辺りにポツポツとあるのは。血抜きのドレーンが入っていた跡です。
ちょっと(かなり?)腫れています。




さて、私の場合は『変形性股関節症とは』の説明にあるように、9割の中に入る、先天性股関節脱臼でした。

普通はオムツ変えなどで気づくことが多いらしいですが、私の場合は歩き始めてからでした。

しかも近所のおばちゃんから「なんか歩き方がおかしい」と言われて、親が私を連れて受診したようです。

当時は大手術で大金をはたいたとかなんとか〜思春期の頃から親に言われ続け

そんな大変だったんだ〜。と思いはせよ、こんな大人になってからも痛みが出るとは思ってみませんでした。

当時の手術の様子も、「関節内に肉(筋肉?脂肪?)が盛っていて大変だった」とか

そういう、やじうま的なコメントしか聞いてなかった私は、今回の受診時にも主治医への説明が的を得ておらず

トホホな状態だったのは言うまでもありません・・・どこで手術したのかさえ聞いていなかった、とんだお気楽者です。

幼少の手術後は普通に生活していましたし、スポーツ大好き、朝から晩までのハードな部活もこなすほど

股関節に異常があるなど夢にも思わぬほどでした。

・・・でも20代になってから時々、痛みが生じるようになりました。

ただの歩きつかれとか遊びすぎとか、それくらいに軽く考えていて病院は敬遠していた、若気の至り(笑)

一度だけ、眠っていても鈍い痛みで目が冷めることがあり、近所の病院を受診しますが

その時は、特に詳しい説明もなく、即行〜杖をつきなさい!と言われ〜筋力UPの体操を教えてもらいましたが

この若い身空で杖はかっこ悪いで!と拒否したことを覚えています。

体操だけはしばらく続けましたので、そのかいあってか足の痛みも全くなくなり、青春を謳歌することに没頭(笑)

それからしばらくは、我慢できない痛みも出ませんでした。

それから30代・・・結婚して子供欲しさの治療の一環として、ホルモン剤の投与など

いろんなストレスが関係して太りに太り(もともとぽっちゃりタイプなのに)股関節の痛みがとうとう本格的になりました。

日ごろから重たい物でも長時間持ち歩いたりがへっちゃらな男勝りな私でしたし、

ダイエットのためにウォーキングを長時間したのも悪影響だったようで

H15年夏には、寝ていても座っていても、何をしていても痛みがある日があったりと・・・。

プライベートで色んなショックなことが度重なったこともあり、ここぞと一念発起しても8キロ減しか出来ず

股関節のためには軽ければ軽いほど良いはずなのにと焦るばかりです。

尾骨骨折したりで体を動かすことが困難になったり、思うようにコントロールできないジレンマの中

もう私も年貢の納め時かと・・・腹をくくって広島で最も有名な股関節の名医のいる病院を受診しました。

そこで初めて自分は臼蓋形成不全だと知りました。。。しかも骨頭は球状ではなく、扁平していてチグハグです。

やはり手術しかないと言われました。でもあまりの変形にどうしていいのやら?という感じです。

人工股関節を入れるには年齢が若すぎる・・・それを遅らせるための手術といった感じでしょうか。

残存軟骨の検査を行い、ここで名医の診察・・・結果、二種類の手術方法で行われることに決まりました。

★大腿骨骨切り術

(大腿骨を切って、寛骨臼と大腿骨頭の適合を良くする手術です。大腿骨を外側に倒すものを外反骨切り術といいます。)

★臼蓋形成術

(骨盤を切ったりして骨頭に合う屋根をつくり、補強してじょうぶな股関節につくり替える手術を臼蓋形成術といいます。)

説明を受けたのは、上記の二つの方法です。

しかし、今まで痛みが出ていたのは全て右足だけで、左足はなんともなかったのですが

名医から左足も臼蓋形成不全だと言われ、正直ビビリました・・・両足かよ!と・・・

今回は右足の治療になりますが、いつかは左足もしないといけないのだろうか・・・気が重いです。

この先、どうなるんだろう〜?とか、やはり私も人並みに色々と考えてブルーになります。

手術を勧められても温存療法で時期を遅らせる人もいるそうですが、軟骨が介在する早い時期の方が手術は好ましいとも聞きます。

私の場合は、仕事に就いていない今。子供が居ない今。@旦那の愛情が疑わしい今。(爆謎)

と・・・決断しました。一大決心です。人生をかけるくらいの・・・

心が乾ききっている時こそ、体の健康が必要だと思ったのです。

体が痛い〜病気だと、人間は苦境に立ち向かえられません。健康でいれば状況が酷に転じても乗り切れるはずです。

病は気から・・・とはよく言ったものですが、健全な肉体には健全な精神が宿る・・・も大切です。

とはいえ、完全な状態に戻れることは皆無でしょうが・・・

これからどうなるか・・・それは誰にも分かりません。

こんな時だからこそ、私は自分の運命みたいなものを受け入れようと思います。

ゼロから(もしかしたらマイナスから)の出発になるかもしれません・・・

人生の岐路に立った時、私はいつも『しない』より『する』を選んできました。

なにもしなければ、そこで終わってしまう(現状維持もしくは悪化)

ですが、なにかをしようとして動くことで、可能性は広がると信じてきたけれど・・・

股関節にそれは通用するでしょうか?(笑)

いっちょ頑張ってみますかっ・・・



管理人 風花



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