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悠久幻想曲
―――陰の声、過去の思い出―――

 
本編4


 そして、あれから1年が流れた。
 あいつがいなくなってから1年。長いようで短い年月だった。
 最初はあいつがいないことに戸惑っていた住人も、しだいに普段の生活を取り戻していた。
 あいつのことを話したときシーラは泣いていたけど、今は普通に生活をしている。だけど、時々泣いているのは私だけが知っていた。
 あいつがいなくなってからジョートショップはアルベルトが時々手伝いに行っている。
 本人はリカルド隊長からの命令だと言っていたが、そんなものなくても手伝っていたのだろう。
 この街の自警団を巻き込んだ騒動もすでに終わっていた。あいつに似た性格の第三部隊の隊長が奮闘していたからだ。
 そう言えばその隊長についても、ひと騒動ありそれは今でも続いている。クレアというアルベルトとの妹との騒動だ。
 どうも話を聞く限りでは駆け落ちに似た状態になっているらしい。当然アルベルトは激怒し、今でも騒動を起こしている。
 素直になれないのかなー、あの化粧バカも。

 ねえ。
 ウェイン。
 あんたがいない間にいろいろあったけど、ここはあんたの街だよ。
 まだ、戻ってこないの?
 あんたが早く戻ってこないとあたし、あんたに愛想をつかすわよ。
 これでもあたしは人気者なんだから。
 それにあんたが謝るまであたしは絶対に許さないから。
 だから早く謝りに戻ってきなさいよ。
 
 あたしはあれから毎日、街の門に立っている。
 あいつが出ていった門の前に、あの日からずっと。
 今日もそこへ向かうつもりだ。
 と、そこへなんだか騒がしい声。
 …始まったか。
 もう日常茶飯事になっているアルベルトとあの例の隊長との騒動だ。
 見慣れてしまったので今はもう見に行くこともない。
 声だけが届いてきた。

「やっと帰ってきやがったか!いきなり目の前から消えやがって!!」

「俺の都合があったんだよ」

「んなこと関係あるか!俺にひとことの相談もなしに消えやがって!」

「なんで、お前に相談しなきゃならんのだ」

「俺はお前が嫌いだからだ!!」

「うわっ!すげえ理屈。そんなことだから妹に愛想尽かされて、駆け落ちなんてされるんだよ」

「て、てめえ!どこでそれを知った!!」

「街のみんなから。いけないなー、可愛い妹の恋人に危害まで加えて」

「俺は認めん!!クレアに近づく奴は俺が殺す!!」

「強引兄貴。シスコン野郎。万年化粧。ミスターTBC」

「こ、この野郎!殺す!!」

「ほほう。あーあんなところに噂の二人がキスなんか」

「なにいいいいいっ!許さん!どこだ!即刻離れろおおおおっ!!」

「アホ」

 ごきん

「ぐえっ!」

「まったく猪突猛進だよな。ちっとは俺の嘘にも気づけよ」

 そう言いながら、アルベルトを簀巻きにして、顔に落書きをしている旅人風の男。
 軽くスキップをしながらこっちへと近づいてくる。
 そいつはにぱっと笑って話しかけてきた。

「よっ!ただいまパティ。元気にしてたか。ほらちゃーんと土産も…」

 あたしはそいつの言葉も聞かずにずんずんと近づいて、

 パン…

 平手打ちをお見舞いしてやった。
 戸惑うあいつ。
 その不意をついてあたしは抱きついた。
 懐かしい匂い。あいつの優しい匂い。
 不意に涙が出てきた。…やだ、泣かないって決めてたのに。

「あんたね…ずうずうしいにもほどがあるわよ!勝手に悩んで、勝手に消えて、勝手に戻ってきて!!ばかっ!おおばかっ!死んじゃえ!」

「いきなりひっぱたいてそれかよ、あーいてて」

「あんたなんか…グス…あんたなんかそれで充分よ!」

「…そっか」

 ふっとため息をつくあいつ。不意に強く抱きしめられた。

「悪いな、心配させて…それと…ただいま」

「…おかえり…ウェイン」

 あいつの言葉にあたしはそう答えるのだった。
 あいつの過去はもう、完全に清算されていた。

to be climax...


 ほほほほほ…ついにここまできたぞえ。
 …ま、ちと短かったような気もせんでもないけど。まあ、いいっしょ。
 ふう、本編も次でラストか。さあって、どういうふうな結末にしてやろっかな。
 楽しみ楽しみいいいっ!

 SE:ざくうううううっっ!!

 うっきょおおおおおおっ!!何でいきなりいいいっ!!
 nao:パティを泣かせば殺す。いったはずだ。
 だから、あれは演出上必要不可欠だったわけで。
 nao:関係あるか、阿呆。貴様に学習能力はないのか。ならばその身体に直接刻み込んでやろう。
 う、うひいいいいいいっ!

 SE:ずがしゅうううううううっ!!

 みゃああああああああああああ!一刀両断は嫌ああああっっ!!
 nao:ふむ、綺麗な真っ二つ。まあ、この程度で許してやるか。俺も甘いな。
 そんなこんなで兄者は飛び立っていきましたとさ。
 ふう。こんな調子で俺、持つのかな。
 つーわけでおなじみですけど感想、リクエストお待ちしております。…画像の方はまだスキャナーが手に入ってないから期待しないで。画力もないし。
 そいでは次の最終編で会いましょう。

naokuro@geocities.co.jp


どうも、パティを泣かせたので気が立っているnaoです。
とりあえず、次でラストなんですな。どんな風に仕上がるか、楽しみ楽しみ。
さて、恒例、(感想、謝罪、)マグロ作成依頼、マンジュウ作成依頼のメールをお願いします。(警察用語入り)
では。


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