俺、リオン・ハーティス14歳、のいつもと同じ平凡なつまらない1日が始まろうとしていた。
が、
「リオンーー!手紙が来たよーー!!」
とてつもないデカい声を出している奴のせいで俺の眠りは妨げられた…。
が、どうみても時計は7時…。俺は自分のベッドへ頭を突っ込んで奴の声をムシすることにした。
バッターーン!!
部屋のドアの乱暴に開けて(奴にその気は無いらしいが)鼻息を荒くしてこちらへズカズカむかってくる。
「リー―オー―ンー―おー―きー―ろー―!!!」
最大音量プラス耳元で叫ばれてはかなわない。ついでにかけ布団も奴にはぎとられる。
「……おはよ、イオン……」
「おはよ〜、リオン♪」
イオン・ハーティス、14歳。俺の双子の妹が、にこやかに笑いながら寝間着姿で枕に頭から突っ込んでいる俺を見ている。
「…んだよ、朝っぱらから…」
不満たっぷりのいやみ声で俺が言う。
が,全く聞いてないような口振りで
「リオン、マジック学園から入学要項が届いたんだ♪」
俺に茶封筒をさしだした。
「…へぇ…」
俺は別にゼンッゼン興味ない。
「その『ヘぇ』ってなんだよ?!今日入試日だから兄さんが受けてこいって!」
「はぁ?何勝手に決めてんだよ」
封筒をイオンにつき返す。
「そんなぁ〜、ひどいぃ〜、ひどすぎるぅ〜」
ぼろぼろえぐえぐ。イオンが泣きはじめた。
「な、泣くな!俺が兄さんに怒られるだろ!!」
兄さん=チェスター・ハーシェル、19歳。俺たちは両親が早く死んじまって親代わりになってるのが兄さんって訳だ。で,普通のときはやさしいが、怒ると…考えてくねぇ…。
「じゃあ受けるんだね?!マジック学園!!」
また勝手に決めてやがる。でもここで断ると…。
「わかたわかった、受けりゃいいんだろ、受けりゃ」
仕方なく承諾する。
どうせ受かる分けないのだ。そう、マジック学園というのは簡単に言うと超難関校なのだ。
毎年5万人ぐらい受けるが受かるのが5・6人だけである。
受かることが奇跡と言われる学校なのだ。
が、なのに兄さんは受かったらしく3年間学校にいたらしい。あまり詳しい事は教えてくれないが。
「わ〜いっ♪今日の昼12時に各村の出口に集合だって。受かったら家に帰れないから…」
「荷物まとめとけ、だろ?」
「そう、荷物まとめといてね♪」
パタパタと部屋を出ていくイオン。
「…ねよ…」
イオンがいなくなったらまた寝はじめる俺だった。誰にでも睡眠は必要だ♪
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「うぅー―ん、良く寝たーー」
目がさめたのは昼11時半頃だった。
村の出口までは20分ぐらいでいけるはずだ。とくに準備するものもない。
必要な物はすべて持って歩いているからだ。服の裏にナイフ仕込んだりしている俺ってスゴイ。
服に着替えて下の階にいってみる。
案の定、イオンがまっていた。
「あ、準備できたんだね?」
彼女の手には手提げかばんが下がっている(手提げかばんには見えないような状態だが)。
「…まあな…」
あまり乗り気ではない。当たり前だが。
「それじゃ、兄さんいってくるね♪」
兄さんが目の前に立っていた。会話は全て聞いていたらしい。
「絶対帰ってきちゃダメだぞ!」
受かった事がある兄さんは気合が入っている。ついでに二人分の飯代がうくということも多いにあるのだが。
「わかったわかった、いって来る」
別に俺は受かる気さらさらない。うかるわけねぇ、そう、受かるわけねぇんだ…。
「それじゃ、行って来るね♪」
「行ってこい!がんばれな!!」
元気に家を出るリオン。俺は半ば引きずられるようにして家を出た。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
11時59分。俺たちは村の出口につったっていた。
「ねぇ…、人がひと〜りもいないよ…?」
確かに誰もいない。
「審査員ぐらいいてもいいと思うけどな…」
俺も不思議に思うことはいつお思う。
――ゴ〜ンッゴ〜ンッゴ〜ン…――
「12時の鐘だね…」
「…んだな…ん…?」
かすかに地面が光った気がした。
――パァァァァァァァッ――
「な、なんだ?!」
「ほえっ!?」
なんか異様に体が思重い。下を見るとなんか地面が薄れてきた。透けて下が見える。
引きずり込まれる?!
すたっ。ぼてっ。
何処かに落下したらしい。みわたす限りどこかの講堂のようだ。
「ようこそっ!マジック学園へ!!」
どこからともなく声がしてぎょっとする。前へ向き直るとおっさんが立っていた。
「…ここ…どこ…?」
他にも落ちた奴らがいるらしい。声の主はあい色の長い髪をポニーテールにしている少女だった。
「…何言ってるんですか?!あなたマジック学園のテストに受かったんですよ?」
ショーックッ!マジで受かっちまったのか?!マジック学園に…。家に帰りてぇ…。
イオンはうれしそうに微笑んでいる。受かるのが夢だったから仕方がないだろうから。
「ほ、他のいっぱいいた奴らはっ?!」
今の声は赤い髪を肩より少し短く切った少年…だろうか?よく分からない。
「あぁ、あれは全部不合格ですよ♪」
このおっさん頭正常か?なんでそ〜っんなに楽しそうに言うんだよ。
あと俺の近くに落ちた金髪を適当に伸ばして結んでいるヤロウは別になにか考えているようでも
なさそうだ。平然と立っている。
「さぁ!更衣室に行って制服に着替えてきださい」
ぞろぞろぞろぞろ。
おっさんに言われるままに全員更衣室に向う。全員と言ってもたった5人だが。
いちお女子と男子に分かれているようだ。
「イオン、ちゃーんっと服たたんで出てこいよ」
「そんなー、ちゃんとできるもん!」
イオンは顔を膨らませながら女子更衣室に消えた。
「なぁ、名前なんていうんだ?」
入ってからすぐに声をかけてきたのはあの赤髪少年だった。
「…………」
全く金髪野郎は答えようとしない。
「あ、俺の名前はリオン・ハーティス。よろしくな」
手を差し伸べる。
「オレはチャット・クロック。こちらこそよろしく!」
がっちりと握手する。それほどチャットは握力が強くはなかったが。
「そいや、お前と一緒にいたあの子、おまえの妹か?」
制服に着替えながらチャットが言う。なんかホントに魔法使いってカンジの制服だ。
「あいつはただの双子だよ。イオンって言うんだ」
「へぇ」
いまだに金髪野郎はしゃべってこない。一人で淡々と着替えている。
で代わって女子更衣室。
「ねぇ、名前なんて言うの〜?」
イオンがのんびりもそもそと制服に腕を通しながら自分より背の高い少女に話しかけていた。
「私はルミナ・シェスッテッド。あなたの名前は?」
さらっとルミナが言う。
「僕はイオン・ハーティス。よろしくね」
にこっとルミナに微笑む。
それを見てルミナの顔が少し和らいだように見えた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「…と言う言う訳で諸君らはこれからマジック学園生徒である…」
「ふぁぁぁ…」
今は校長が熱演している真っ最中である。もう30分は話し続けてはいるだろう。
でオレの両脇で二人同時にあくびしているのがイオンとチャットである。
「…と言うわけで諸君らの健闘を祈る!!以上。解散」
やっと終わったようである。
「さあ、これから部屋に移動してもらいます。女子は自分の荷物を持って私に付いてきて下さい」
教師のような女性が言う。
「はーっい」
元気にイオンが返事なんかしている。
「男子生徒はわたしに付いてきて下さいね」
講堂にいたおっさんが言う。あれでもいちお教師のようだ。
「げっ、一人部屋じゃないの?!」
部屋の前に立ってはじめて声をあげたのはチャットだった。
今までずっと一人部屋だったのだろう。
「当たり前ですよ、級が上がったら一人部屋も可能ですが」
「さっさと入れ」
どげしっ。
「!?うわぁっ!何しやがるこの野郎!!」
いきなりあの金髪野郎がオレたち二人を足で蹴りやがった。
「野郎呼ばわりとは失礼だな。俺はキース・アレクトだ。覚えとけ」
めちゃくちゃ失礼な奴だ、キースって野郎。
でイオンとは言うと…
「ほへ、ルミナと同じ部屋なんだ♪」
うれしそうに部屋へはいってゆく。
その後をルミナがとくに何か感じるでもなく入って行った。
「どっちのベッドがいい?ルミナ」
行きなりベッド決めが始まる。
「こっちでいい」
選んだのは右側のベッドだった。
「んじゃ僕はこっち使うね♪」
ベットの下には引きだしがついているようだ。いろいろ荷物をつっこんでいく。
でうってかわって俺たちはと言うと…
「おーれーがこっち!!」
「オレがこっちだ!!」
完全にベッドの取り合いをしていた。
「…俺が使う…」
「へっ?」
二人同時になさけない声をあげる。
さっさとオレたちが争っていたベッドに近づきキースが荷物を片付け始めた。
「…俺、まんなかでいいや…」
なんか一気にやる気が無くなる。
「…じゃぁ、俺ここでいい…」
チャットもなんだか拍子抜けしたようだ。
「まぁこれから何年になるかわかんねーけどよろしくな」
「こっちだって来たくて来たわけじゃないけど、よろしく頼むぜ…」
ごろんとベッドに横になる。なんか眠気が襲ってきた。そのまま飲み込まれるのもいいだろう。
俺はさっさと小さな寝息を立て始めていた。
「寝るの早いな…こいつ……ふぁぁ、俺も寝よ」
横でチャットが見ながらも寝はじめる。
新しい生活は始まったばかり。どうなるか知らないけれど、まぁ、どうにかなるさ!by リオン
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