カメと過ごす日々
創刊号2〜松姫の変編
梅雨の頃だったと思う
夕方、仕事中だった私に妻から電話がかかってきた
「松姫がいなくなってる」
話によると
庭の衣装ケースに2匹入れていて
5分ほど目を離した隙に
松姫が失踪していた
衣装ケースはカメ1匹では逃げ出せないくらいの高さはあったのだ
そう1匹では
恐らく竹千代を踏み台にしてケースから出たと思われる
付近を捜索したのだが見つからない
私が帰宅していっしょに探したのだが
結局見つからなかった
妻の落ち込みは、傍で見てて胸がつまるようであった
とあるカメの飼育本にはこんなことが書いてある
「カメは1匹でも寂しくありません」
それはそうかもしれないが
寂しいのは飼い主たる人間のほうだった
「もう1匹買おうか」
そう切り出すのは自然のなりゆきだった
お店で買ったのは
クサガメだ
ゼニガメの異名からつけた名前は
「コイン」
5センチサイズのカメは初めてだったので
すっごくかわいがった
しかし
またしても忍び寄る影
コインの突然死
原因は不明
悲しみが再び妻を襲った
「もう1匹だけでいいよ」
とつぶやく
私もつらかった
そして秋が来て、兄貴から連絡が
「90センチ水槽買い換えるから今の水槽を5千円で買わないか?」
ってね
室内の水槽はもはや狭く
冬も近づいていたので
大きい水槽を買わねばと考えていた。
二つ返事で話にのった
余談だが今使ってるコリ水槽も兄貴のお下がりである
初めて熱帯魚を飼った水槽もお下がりだ
その初めての水槽は今、弟がつかっている
そして平成16年、新しいコリ水槽もお下がり
いくつになってもお下がりかよ
そしてようやくキスケが、我が家のカメ歴史に登場する
創刊号3〜キスケここにあり編につづく
まだ幼い竹千代!