山へ行く
僕のステイしたコシネンコさんの家と、埼玉のイチツカさんがステイしたテュテュ−ニンさんの家は、 同じアパートの別の階にあった。そんなつながりで、僕とイチツカさんとこの2家族は、よく一緒に 行動していた。

この日はコシネンコ家の当番?で、パーパチカ(お父さん)が、僕とイチツカさんとテュテュ−ニン家の 長男を連れて、男ばかり4人で冬の山に登った。山といっても1000mにも満たないような近くの山 だが。

山へは車で行った。雪が残っていて、途中から車が進まなくなったので、 車を放棄し、徒歩で、膝まである雪を掻き分けながら、山頂を目指した。

僕らは20分くらい歩いて、山頂へ到着した。
山頂はとっても見晴らしがよくて、遠くの海が見えた。見渡す限りの、森と原野と海。 人工的なものは、遠くの山頂に見える鉄塔くらいである。爽快だった。

このあたりは、パーパチカがよく、シカのハンティングをするエリアだということであった。
山頂に行った後、車に戻り、そこから少し下った森の中の、少し平らな場所に移動した。

山に来るとき、車のトランクの方から、チャリン、チャリン、とガラスがぶつかるような音が していた。何の音だろうかと、不思議に思っていたが、この時、謎が解けた。パーパチカが、射撃の的に するためのガラス瓶を、何本もダンボール箱に入れ、準備してきていたのだった。

射撃の的といっても、夜店の遊びじゃなくて、銃はパーパチカが普段、ハンティングに使っている 本物の散弾銃だ。

イチツカさんと僕は一回づつ銃を撃たせてもらった。50mほど先の木の枝の上に、のガラス瓶を置き、 それを狙った。撃った後、肩に来る反動の衝撃は、思った通りの激しいものだった。

一発で瓶に命中し、瓶は粉々に砕け散った。散弾だから、よっぽどあさっての方向に撃たなければ、 当たって当然なんだけどね。
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