ジェーニャのこと

ジェーニャとチェスをした。チェスのやり方は知らなかった。でもチェスは、元々インドで原型が生まれ、 東へ行って将棋となり、西へ行ってチェスとなった、という話を聞いたことがあったので、きっと将棋と ルールが似ているんだろうなと思って、ジェーニャに駒(チェスではなんていうの?)の動かし方を聞き ながら始めた。

例えば馬の形をした駒は、これって桂と同じかも?って想像して駒を動かして 「OK?」と聞くと、ジェーニャが「モージュナ!:うん、いい!」と答えるという具合だ。

チェスの最中、ジェーニャが考えるとき、「TAK、*○×△%・・」とかってよく つぶやいていた。「おっと”TAK”って言葉は、こんな風に使うんだ」とひとりで納得。

結局、チェスは1勝1敗1分け(食事の時間のため強制終了)で終わった。
 
ステイ3日目、ジェーニャが、風邪で熱を出してしまった。僕が、日本から悪い菌でも連れてきたのだろうか、 と少々不安になった。

ヴィックス ヴェポラップという胸に塗る風邪薬があるが、マーマチカが、同じ様な 胸に塗る薬を、ゼーニャの胸に塗っていた。その時のマーマチカとジェーニャを見ていると、 なんかとても面白い。

面白いといっても可笑しいわけじゃなくて、言葉で表現するのが難しいのだが、 マーマチカもゼーニャも、はしゃいだりして、とっても嬉しそうなのである。薬を塗りながら、 母子でじゃれ合ったり、抱き合ったりしている。
愛情の表し方がなんか日本人とは違うなーと思った瞬間だ。
ジェーニャは、めだかみたいな魚を、水槽で飼っている。毎日、瓶から餌を取り出して与えていた。
  近くの小川で捕まえたの?と思って聞いてみると、店(ペットショップ?)で買ったと答える。
僕の誤解かな?と確認してみても、やっぱり店。それ程綺麗な魚でもないのにそんな魚売ってるの? それとも何かの稚魚で、成長すると鑑賞に値する綺麗な魚になるの??・・・この謎は解けぬままに。

子供の頃僕も、海苔の入っていたガラス瓶を金魚鉢にして、金魚を飼っていた。子供が 生き物を飼う事に興味を示すのはどこでも同じようだ。

コシネンコ家はゲストの贔屓目ではなく、本当に美男美女の家族だと思う。もちろんゼーニャも。 (・・・このフレーズに覚えがある? きっと気のせいだよ!) エドワード・ファーロング(=シュワちゃんの映画、ターミネータ2にサラ・コナーの息子で、 シュワちゃん演じるT−800を調教?する少年役で出てくる男優)に似ている。
ゼーニャにロシア語のテキストを読んでもらい、それを録音した事があった。日本に帰って からのロシア語の勉強に使おうとしたのだ。途中、読み方がはっきりしない単語があったので聞いてみた。

ジェーニャの発音を、口で真似てみると、ジェーニャは僕の発音がおかしいと、 一音節ごとに区切って発音する。僕も彼の発音を真似てリピートするのだが、細かく切れば切るほど、 ゼーニャが発声する音と、僕の発音する音との違いがハッキリしてくる。

大まかに言葉全体を発音すれば何とか通じるものを、細部だけ音を真似ると 全然違ったものになる。言葉のもつ旋律とかリズムのようなものって大事だな、あらためてと思った。

最初は熱心に発音を指導していたゼーニャも、いくらやっても正しい発音が出来ない僕に、 妥協して「まっ、いいか」みたいな感じで終わった。

またゼーニャとは、チェス以外にもTVゲームとか、ボール投げしたり、折り紙折ったり、いろんなこと して遊んだ。
出発のとき、新潟空港の売店で買った竹とんぼを、お土産にもっていって、実際に飛ばせ方を実演して 見せると、大変気に入ってくれた。安かった割に、こんなにウケテくれてラッキー!って感じだった。

竹とんぼのお礼だといって、学校の工作の時間に作ったのであろう、粘土細工の犬の人形をくれた。 この何でもない人形が、僕はとっても気に入っている。
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