Harry Potter's Room

HARRY POTTER and the Deathly Hallows


あらすじ3

第21章 The Tales of the Three Brothers

ゼノフィリウスが言うには、そのマークは闇の魔術のものなどでは全くなく、「死の秘宝」を捜し求める者たちのシンボルであるという。しかし、「死の秘宝」とは? それは、御伽噺の「3兄弟の物語」にまつわるものらしい。ロンとハーマイオニーはその話を知っていたが、ハリーは知らなかった。そこで、ハーマイオニーがその話を した。
3兄弟がそれぞれ死神から物をもらったという話であった。その3つの物を全部持つことによって、死に打ち勝つことができると言われているらしい。
「本当にそんなものが存在するのですか?」
「存在しないということが証明できるかね?」

ゼノフィリウスが夕食の用意をしに下へ降りていくと、今の話を信じるかどうかの話になった。ハーマイオニーはありえないというし、ロンも昔話だから、「これこれ しちゃいけない」などの教訓を含んだものに過ぎないし、この話が元になった迷信すらあるという。
そんな話をしながら、歩き回っているとハリーはふと、さらに上の階があるのに興味を引かれ、勝手に上がっていった。そこはルナの部屋だった。部屋中にハリー、ロン、 ハーマイオニー、ジニー、ネビルの顔が描いてあった。だが、部屋の中は何かおかしかった。じゅうたんは埃っぽかったし、ベッドも何週間もそこに人が寝た気配はなかった。 ハリーは、ゼノフィリウスに聞いた。
「ルナはどこです?」
「さっきも言ったように、川へ魚釣りに行っとるよ」
「じゃ、なぜお盆に4人分しかないんですか?ルナは何週間もここに戻ってないでしょう?どこにいるんですか?それにどうしてそんなにずっと窓の外を見てるんですか?」
ゼノフィリウスはお盆を落とした。そのとき、印刷機が大きな音を立ててクィブラーの最新号が山のように出てきた。表紙にはハリーの顔写真と共に「有害人物第1号」という 見出しと賞金額が書かれていた。ゼノフィリウスは寝返ったのだ。
「やつらはわしのルナをさらったんだ。わしがあんな記事を書いていたからだ。やつらはわしのかわいいルナをさらっていって、今どこにいるか分からんのだ。やつらはあの子にどんな ことをしているやら。だが、やつらはあの子を返してくれると言ったんだ。もし、わしが・・・わしが・・・」
ハリーたちは帰ろうとした。すると、
「やつらはすぐにもやってくる。わしはあの子を助けなきゃならん。わしはあの子を失いたくないんじゃ。帰らせんぞ」
ほうきの影が窓の外を通り過ぎた。ゼノフィリウスの放った気絶呪文はハリーたちの横をかすめてエランペントの角に当たった。すさまじい爆発が起きた。家は崩れ去り、 混乱に乗じてハリーたちは逃げ出した。

第22章 The Deathly Hallows

ハーマイオニーはごたごたに巻き込まれた挙句、秘宝なんて馬鹿馬鹿しい、何の収穫もなくて時間の無駄だった、と言い切ったが、ハリーはそうは思わなかった。 ペヴェレル家のことを 思い出して、何か知らないかとハーマイオニーに聞くと、本によれば直系の家系は絶えてしまったので名前は残っていないが、傍系の家系として姓を変えながら子孫は残って いるらしい。そこでハリーは、マルボロ・ゴーントがはめていた指輪にペヴェレル家の紋章がついていたことを思い出した。そして、3つの秘宝がつながった。ヴォルデモートが 追っているのはこの秘宝の一つだと。それなら辻褄が合う。しかし、ハーマイオニーがさらに反論した。それならなぜ、ダンブルドアは秘宝のことについて何も言わなかった のかと。ハリーはその答えが分かっていた。秘宝は捜し求めて見つけるものであって、人から教えてもらって手に入れるものではないからだ、と。

ハリーは傷が痛んだときに見えたイメージが今までとは異なってきたことに気がついた。自分の杖が壊れてしまったことで、ヴォルデモートとの恐ろしくも役に立ってきた つながりが壊れてしまったのではないかと考えていた。まるで自分が今持っているサンザシの杖のせいではないかとも思ったりもした。

数週間後、残りのホークラックスについて話が進む中、ロンは以前言っていたラジオ番組のことを思い出し、どうにかして聞こうとあれこれやってみていた。3月になって ようやくその番組を聴くことが出来た。するといきなり知り合いの死亡の知らせから始まり、ハリーたちは暗い気持ちになった。ハリーは外の世界で何が起こっているのかを 初めて知り、続きが聞きたくもあったし、次は何かと怖くもあった。しかし、コードネームを使ってはいるものの聞きなれた声がラジオから聞こえ、しかもルーピンの声が 「いつも僕らは心でつながっているから」と言ったとき、ハリーはいつかのひどい仕打ちを許してくれたんだな、と安堵した。
番組が終わり、ハリーは自分たち以外の人々もヴォルデモートに対抗していることを知った。永い眠りから目覚めた気持ちになった。しかし、フレッドが言っていた言葉が 気になった。
「あいつは外国にいるんだ!まだあの秘宝を探しているんだ!」
「ハリー・・・」
「なんでさ、ハーマイオニー。どうして君は認めようとしないいんだ?ヴォル・・」
「だめだ、ハリー!」
「デモートが秘宝を探してるって!」
「その名前を言っちゃだめだって言ったのに」
テントの外で声がした。
「手を上げて出てくるんだ」

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第23章 Malfoy Manor

ハリーは二人のほうを見た。するとハーマイオニーは杖を彼のほうへ向けて振った。ハリーの顔はたちまち膨れ上がった。やってきたのは人狼グレイバックとデス・イーターだった。 ハリーたちは後ろ手に縛られ、引きずられていった場所にはまだ他に先客がいた。ゴブリンとディーン・トーマスだった。そのうち、テントからグリフィンドールの剣を 見つけた。さらに新聞に載っている写真が目の前にいるハーマイオニーにそっくりであり、「ポッターと共に旅をしている者として知られる」という説明を読んで、グレイバックは この3人がハリーたちである、という確信を持ち、ヴォルデモートの下へ連れて行くといったが、自分は呼び出せないので基地として機能しているマルフォイの屋敷へ行くこと にした。その間にハリーの心にはヴォルデモートがとても高い塔の上へ飛んでいくイメージを見ていた。

屋敷に着いたグレイバックはポッターを捕まえたと言って中に入れてもらった。ナルシッサは確認のために息子のドラコを呼んだ。ポッターを捕らえたかもしれない、 というのでルシウスは興奮気味だったが、対照的にドラコは投げやりで、恐れているようにも見え、ハリーを見てもハリーかどうか分からないと答えた。それをみたナルシッサは ヴォルデモートを呼ぶのはもっとはっきりしてからでないと、とためらった。そこへベラトリクスが入ってきた。そこで、だれがヴォルデモートを呼び出すかでひと悶着あったが、 グリフィンドールの剣を見たとたん、ベラトリクスの顔が一変した。グリンゴッツの自分の金庫にあるはずの剣がどうしてここに?危機を感じたベラトリクスはとりあえず 対策を考える間、彼らを地下室に閉じ込めておくように言った。だが、ハーマイオニーだけはここに残しておくことにした。
地下室で、ロンは上に残されたハーマイオニーがどんな仕打ちを受けるのかを恐れて、「ハーマイオニー!」と叫び続けた。その声を聞いて呼びかける声がした。ルナだった。 そこには他に、オリバンダー、ディーン、そしてゴブリンのグリップフックがいた。ディーンの顔はあざが出来、血にまみれていた。オリバンダーとグリップフックはほとんど 意識がないようで動けずに横たわっていた。上の方から、真相を聞き出そうとベラトリクスがハーマイオニーをいたぶっている声が聞こえてきた。
「どこで手に入れたんだい?どこで?答えるんだ!クルーシオ、苦しめ!」
ハーマイオニーの叫び声が部屋中に響きわたった。ハリーはハグリッドがくれたポーチの中を探ってみた。スニッチを出して振ってみた。何も起こらなかった。折れた杖を 取り出した。使えない。鏡の破片がきらめきながら落ちた。そこにハリーは明るく真っ青な光を見た。ダンブルドアの目がハリーを見つめている。
「助けて!マルフォイの屋敷の地下室にいるんです。助けてください!」
その目は瞬きすると、消えた。ハリーは今のが本当だったかどうか定かではなかった。ハリーは鏡をあちこち傾けてみたが壁や天井しか映らなかった。
「あなたの金庫になんか入ってません・・・あれは本物じゃないんです。コピーです。ただのコピーなんです!」
「コピー?ふん、ありがちな話ね!でも、簡単に見分けがつくんだよ。ドラコ、ゴブリンを連れて来な。それが本物かどうか教えてくれるよ」
ハリーはグリップフックのところへ行って、本物だといわないよう頼んだ。ドアの前にドラコが来た。ロンは火消しライターで明かりを消した。ドラコが入ってきて、 ゴブリンを捕まえると出て行った。ロンが明かりを出すと、瞬間移動してきたばかりのドビーがそこにいた。ハリーとロンはみんなを連れて、ビルとフラーが住んでいるシェル・ コテージに連れて行って、またここに戻ってくるように頼んだ。そして、瞬間移動の音を聞きつけたルシウスはワームテイルに様子を見に行くように命じた。入ってきた ワームテイルにハリーは言った。
「お前を助けてやったのに、僕らを殺すつもりか?借りがあるんだぞ、ワームテイル!」
すると、ワームテイルの銀の手が・・・
そして階上ではグリップフックが剣は偽物だと言っていた。そして、いよいよヴォルデモートを呼び出そうとしたその瞬間・・・・

第24章 The Wandmaker

どうにかビルたちの住むシェル・コテージにたどりついた。しかし、ここでも大きな悲しみがハリーを襲った。その中でハリーはとうとう傷の痛みを制御することができる ようになった。ビルが言うには、デス・イーターたちはロンがハリーと一緒にいることを知ってしまったので、家族に危険が及ぶのでみんなをミュリエルおばさんのところへ 避難させたそうだ。
ハリーはオリバンダーとグリップフックに聞きたいことがあった。グリップフックはまだ剣を抱えていた。が、その目は攻撃的で何かを企んでいるようだった。しかし、 マルフォイの屋敷からここまでの間に起こった出来事を通して、ハリーには「お前さんは風変わりな魔法使いだね」と言った。ハリーは言った。
「グリンゴッツの金庫に侵入したいんだ。きっと警護も厳しいはずだけど。レストレンジの金庫に入りたいんだ。手伝ってくれないか?」
「無理だ。それにもし侵入したとしても、そこにある剣は偽物だ。ここにあるものが本物だ。お前さんはもう分かっていたじゃないか」
「そこにあるのは偽物の剣だけじゃないだろう?たぶん他にも何かあったのを見ただろう?」
グリップフックは悩んで、考えてみると答えた。
あの剣を見たときのベラトリクスのうろたえようから考えて、他にも大事なものがあるはすだ。それはきっとホークラックスだ。

次はオリバンダーだ。ハリーはオリバンダーに折れた杖を見せて、直せるかどうか聞いた。そこまでのダメージを負ってしまったら、直せないと答えた。オリバンダーから そう聞くとかなりショックだった。それから、ハリーはマルフォイの屋敷から持ってきた2本の杖を取り出し、これがだれのものであるか分かるか尋ねた。1本はベラトリクスの ものだった。そして、もう1本はドラコ・マルフォイのもの「だった」と答えた。
「だった、って。もう彼のものじゃないんですか?」
「捕り方や杖自身にも大きくかかわるが、杖の忠誠も変わるんじゃよ。杖は魔法使いを選ぶ。それは杖のことを学んできた者には周知の事実じゃよ」
「僕はドラコの杖を力ずくで奪いましたけど、安全に使えますか?」
「そう思うよ。不思議な力で杖の所有権は決まっているが、打ち負かされた杖はたいてい新しい主人に従うよ」
「じゃ、杖の所有権を得るには、前の持ち主を殺す必要はないんですね?そんな伝説があるんです。殺人によって人から人へ渡っていった杖があると・・」
オリバンダーの顔が青ざめた。

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第25章 Shell Cottage

グリップフックが話があると言って来た。協力する代わりにお返しが欲しいという。お返しに要求してきたのは、グリフィンドールの剣だった。
「あの剣は僕たちの・・・僕たちはグリフィンドール生なんだ。それはゴドリック・グリフィンドールの・・・」
「グリフィンドールが持つ前は誰のものだったのかね?」
「誰のものでもないよ。あれは彼のために作られたんだろう?」
「違う!またしても魔法使いの傲慢だ!あの剣はラグナク一世の物だったのをゴドリック・グリフィンドールが盗ったんだ。ゴブリンが作った失われた財産だ!ゴブリンが 持つべきものだ!剣がわしの雇い賃だ。受けるのか、やめるのか?」
それを聞いて、3人は相談してくると言った。グリフィンドールが剣を盗んだなんていう話は不愉快だった。グリフィンドール生であるということは自分たちの誇りなのに。 ゴブリンの語る歴史が正しいかどうかという保証もない。ハリーは金庫に侵入するのを手伝ってくれた後、剣を渡すということにしよう、ただし、いつ渡すのかについては 明言しないようにしよう、ということにした。
グリップフックは受け入れた。彼は、レストレンジの金庫に一度だけ入ったことがあるという。由緒ある旧家の宝物が納められているのは最下層の最も大きく、警護も厳しい 場所だった。

グリップフックと過ごすうちに、ハリーはあまりゴブリンのことが好きになれないことに気付いた。ここにいる間は彼にいろいろ聞くことが出来るが、世話をしている ビルやフラーに申し訳ない気持ちになった。特に、ビルやフレッド、ジョージ、そしておじさんはもう働くこともできないことに責任を感じていた。
ある夜、ビルはオリバンダーをミュリエルおばさんの家に移すことになった。フラーはついでに結婚式のときに借りたティアラを返すように頼んだ。ビルはすぐに帰ってきた。 久しぶりに会った家族の近況を話してくれた。ミュリエルおばさんはビルたちがなかなかティアラを返さないので盗んだ、と疑っていたらしい。その話を聞いて、ルナが 自分の父もティアラを作っていると言い出した。
「そうだね。レイブンクローの失われた宝冠を再現しようとしていたね」
とそこへドアがばたんと音を立てて開いた。みんなは急いで杖を構えたが、現れたのはルーピンだった。なんと子供が誕生したことを知らせにきたのだった。トンクスの父親の 名前をもらってテッドと名づけたのだ。そして、ハリーに洗礼名の名付け親になってほしいと頼みに来たのだった。それだけ告げて、みんなで乾杯するとルーピンは慌しく 帰っていった。ハリーは自分もシリウスみたいに名付け親になる名誉をもらってとてもうれしく思っていた。
興奮が収まると、ビルはハリーに話があると二人きりで部屋に入った。ビルはグリンゴッツで長いことゴブリンと一緒に仕事をしてきたので、これからゴブリンと何かをやろうと しているハリーたちに警告しておきたかったのだ。特に所有に関する考え方の違いを話してくれた。自分たちが作ったものは、例え人間がちゃんとお金を払って買ったとしても、 それは彼らにとってその料金分の間貸し出しているに過ぎない。あくまでも最終的な所有権はそれを作り出した自分たちにあるのだと。
「僕が言いたいのはね、ゴブリンと何かを約束するには注意深くならなけりゃいけないってことさ。ま、それはグリンゴッツに侵入するほど危険でもないけどね」

第26章 Gringotts

ハーマイオニーはベラトリクスの金庫に侵入するのに、彼女に化けて彼女の杖を使わなければならないことが腹立たしかった。そしてハリーは短くも安住できたこの場所を 去るのが名残惜しかった。
ハリーたちは漏れ鍋に瞬間移動した。その通りに入る際一騒動あり、ベラトリクスがやって来たことが目立ってしまった。しかもデス・イーターの一人に出会い、マルフォイの 屋敷でハリーたちに逃げられたことでマルフォイたちは謹慎させられているはずなのに、と言われた。しかしハーマイオニーはベラトリクスの言い方をまねて、以前暗黒卿を 助けた最も忠義に篤い自分は許しを得たのだ、と言い返した。このデス・イーターのトラヴァーズもグリンゴッツに行くところだったので仕方なく一緒に行く羽目になった。 銀行では、レストレンジの金庫は厳重警備が必要であることや、ベラトリクスの杖が盗まれたことも伝わっていた。ハリーたちは呪文を駆使して、レストレンジの金庫にたどり ついた。その前には盲目のドラゴンが横たわっていた。しかし、グリップフックはドラゴンの扱い方を心得ていた。

金庫の中はトラップに満ちていた。ハリーたちは苦痛に苛まれながらも、ハッフルパフのカップを手に入れた。しかし、どさくさに紛れて剣を手に入れたグリップフックは 寝返った。「泥棒だ!助けてくれ!」そしてやってきたゴブリンたちに紛れてしまった。
ハリーたちは金庫の前にいたドラゴンの鎖を切った。ハーマイオニーは呪文で逃げ道を広げると、やがてドラゴンが羽ばたけるぐらいのスペースが出来た。そして、ハリーたちは その背に乗り、空へと飛び出した。

第27章 The Final Hiding Place

ドラゴンを操縦する方法などなかった。ドラゴンは飛びたいように飛んでいった。ハリーは途中で振り落とされたらどうしようとか、ヴォルデモートが金庫に侵入したことを 知るまでどのくらいだろうとか、考えていた。もし、カップがなくなっていることをヴォルデモートが知ったら、きっとホークラックスを探していることがばれてしまうだろう。
「でも、言うのが怖くて隠すんじゃないかな」
ドラゴンは水を飲もうと湖に降り立っていた。ハリーの頭は剣で打たれたように痛んだ。
「もう一度言え!」
「か、閣下・・・そ、阻止しようとしたのですが・・・侵入者が、レストレンジ様の金庫にお、押し入りました。ポ、ポッターとその仲間です。」
「で、何を盗っていった?」
「ち、小さな金のカップです、閣下・・・」
そんなはずはない。どうやってあの小僧は秘密を知ったのだ?もし、他のも知ったら・・?事の始まりはダンブルドアなのか?いつも俺を疑っていた。ゴーントの小屋の 指輪は見つけただろうか?あいつとの関係は隠してきたのだから、きっと無事だろう。それに・・・
しかし、それぞれの場所に行って確かめねばなるまい。まず、どこに行くべきか?もっともやばそうなところ・・・ダンブルドアは俺のミドルネームを知っていた。ゴーントの 関係も知っているかもしれない。湖は、あり得ない。それにホグワーツ。あいつはあそこには行かれない。それにしてもベラトリクスとマルフォイを信用したのは大きな間違い だった。馬鹿な奴らだ。
ヴォルデモートはまずゴーントの小屋にナジーニと一緒に行くことに決めた。

ハリーは目を開けた。
「知ってる。あいつは他のを確かめに行く。それで、最後のやつはホグワーツにあるんだ!」
「ホグワーツのどこにあるのかは見えたのかい?」
「いや。あいつはスネイプに警告を送るのに集中してたからどこにあるかははっきり考えなかったみたい」
「待って!今すぐには行かれないわ!計画を立てなきゃ」
「今行かなくてどうするんだよ。考えてみろよ。指輪もロケットも無くなってることにあいつが気付いたら、どうすると思う?」
ドラゴンは水を飲み終えると、羽を羽ばたかせながら暗くなってきた空に向かって飛び立ち、近くの山へと消えていった。ハリーたちは透明マントをかぶってホグスミードの 村に移動することにした。

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第28章 The Missing Mirror

3人がホグスミードの村に到着するとすぐに、「3本の箒」の店から十数人のデス・イーターたちが飛び出してきた。来たことがばれている。ディメンターも来る。 瞬間移動は出来なかった。守護霊を呼び出した。デス・イーターたちは守護霊の下にハリーがいると知り、集まってきていた。ハリーは狭い通りの左手の開いているドアから 聞こえる声を聞いた。「ポッター、こっちだ!早く!」
無我夢中でそこへ入ると、2階へあがってマントをかぶってじっとしているように言われた。その後すぐにデス・イーターたちがやってきた。店の主人はどうにかあしらい、 追い出した。
「バカだね、ここへ来るなんて何を考えてるんだ?」
そう言った店の主人は長い灰色の髪とあごひげを生やしていた。そして汚れたレンズの眼鏡の奥に、輝くように青い目があった。
「鏡で見たのは、あなたの目だったんだ。ドビーを寄こしたのはあなたですね?」
「あいつがあなたのそばへ行きたがっていたからね」
「あなた、アバフォースさんですね。どうやってその鏡を手に入れたんですか?」
ハリーは2年前にシリウスにもらって割ってしまったのと同じ鏡を見て言った。
「ダングから1年ぐらい前に買ったんだよ。アルバスからどういうものか聞いてね。君のことを見守ろうと思ってね」
アバフォースは夜が明けて、ここから山の方へ上がっていけば瞬間移動もできるようになるし、ハグリッドとグロウプにも会えるかも知れないと言って来たが、ハリーたちは ホグワーツに行きたいのだと訴えた。愚かなことだと言われたが、ダンブルドアの頼みだし、時間がないのだと頼んだ。
「兄のダンブルドアは多くのことを成したがった。だけど、その壮大な計画を実行するのには多くの人々が傷ついてきた。ポッター、君は望めば、この学校からも、この国からも 逃れることが出来るんだよ。兄の事なんか忘れるんだ。もう自分が傷つくことのないところへ行ってしまったんだし、君がそれを引き継ぐ必要なんてないんだ」
ハリーにはそうではないことがうまく説明できなかった。
「あなただって戦ってるじゃないですか。あなたもフェニックスの騎士団の一員でしょう?」
「だったよ。騎士団は終わったんだ。あの人が勝って、終わったんだ。君に安全な場所なんてここにはないんだ。どこか外国にでも行って隠れて、身の安全を図るんだ。仲間 と一緒にね」
そんなことはできないとハリーは言い張った。しかし、アバフォースはダンブルドアのことはあまりよく言わなかった。そして壁に一枚だけかかっている少女の写真を見た。 彼らの妹、アリアナの写真だった。そして、アバフォースは妹のことを語り始めた。それはリタの本ともドウジの言っていたこととも異なる真実だった。

話を聞き終えても、ダンブルドアの使命を守ってホグワーツへ行くと言い張るハリーにアバフォースはアリアナの写真に語りかけた。
「どうすればいいか、分かるね」
写真のアリアナは微笑み、向きを変えた。すると・・・・

第29章 The Lost Diadem

ハリーたちはネビルに出会った。顔は傷だらけでローブは裂けていた。だが、3人に出会ってとてもうれしそうだった。ネビルが話すにはホグワーツはもう以前のホグワーツ ではないという。教授に就任したキャロウ兄妹は、教えるどころかとんでもないことを生徒たちに強いていた。ネビルはそのほか自分の身に起こっていることを話してくれた。 学校で、対抗グループのリーダー格だったネビルたちだったが、ルナはクリスマス前にさらわれ、ジニーもイースター休暇から戻ってこず、残ったネビルは執拗に追われている らしい。そうこうするうちに、お願いの部屋に着いた。そこには20人以上の生徒たちがいて、ハリーたちの到着を歓喜で迎えてくれた。話を聞いていると、ハリーの傷が 痛み出し、ヴォルデモートが小屋でホークラックスが無くなっていることに気付いて怒っている映像を見た。急がなくては。もし、次にホグワーツに来たら・・・
「ここから、出たいんだけど。ここでじっとするために来たんじゃないんだ。大事なことをやらなくちゃならないんだ」
もちろんそれが何かは言えなかった。しかし、それが対ヴォルデモートに関することであると知ると協力すると言い出した。だが、ハリーたちだけで実行しなければならない と聞くと、ちょっともめた。
そこへルナとディーンが現れた。さらにジニー、フレッドとジョージ、リー・ジョーダン、さらにチョウ・チャンもやってきた。ハリーは驚いたが、ロンはみんなに助けを 求めるのも手だとハリーに言った。
「僕たちはあるものを探してるんだ。それはホグワーツにあって、たぶんレイブンクローに関係してるものだと思うんだ。だれか何かそんなものを聞いた事はないか?」
ハリーはレイブンクローの寮生たちを見た。しかし、それに答えたのはジニーの隣に座っていたルナだった。
「彼女の失われた宝冠、というのがあるわ。前に言ったことがあるわね、ハリー、覚えてる?レイブンクローの失われた宝冠。パパが複製しようとしてるものよ」
「そうだね、でも失われた宝冠、ていうのは「なくなった」んだよ、ルナ。そこがポイントなんじゃないか?」マイケル・コーナーが目をくりくりさせながら言った。
「いつ、なくなったんだい?」
「何百年も前よ。フリットウィック先生が宝冠はレイブンクロー自身と一緒に消えたっておっしゃってたわ。人々はそれを探したけど、だれもどこに行ったのか分からないん ですって。そうよね?」チョウ・チャンが言い、みんながうなずいた。
「ところで、宝冠ってどんなの?」ロンが聞いた。
「王冠みたいなもので、レイブンクローが持ってた魔法の道具よ。それをかぶる者の知恵を高めると言われているのよ」
「もし、宝冠がどんなのか見たいなら、談話室に連れて行って見せてあげるわよ。レイブンクローの像がそれをかぶっているから」チョウが言った。
ハリーはヴォルデモートが飛んでいる映像を見た。ハリーは二人に、宝冠がどんなのか見てくるから、帰ってくるまでここで待っているように言った。チョウが立ち上がった。 しかし、ジニーが言った。連れて行くのはルナだと。ルナはうれしそうに立ち上がり、チョウはややがっかりして座った。出口は食器棚の向こうに見える、険しい階段だった。 そこは毎回通じている場所が変わるのだが、だれもどこに通じているのかは予測できないのがちょっとやっかいだった。ハリーは透明マントと忍びの地図があるので安心して いた。

レイブンクローの談話室に入るには、合言葉ではなくて、謎解きになっていたのでハリーは驚いた。談話室に入ってみると、確かにルナの家で見た胸像と同じ像があった。 そこに、アレクト・キャロウが現れた

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