シルクロード写真館 (カラコルム・ハイウェイ編)
 中国西域の町カシュガルとパキスタンのタコットを結ぶ約1000kmの道路は、カラコルム・ハイウェイとよばれています。パミール高原を越え、カラコルム山脈を縦断し、インダス川に沿って走る道は、かつて法顕や玄奘三蔵が仏典を求めてインドへ旅し、さらに古くはアレキサンダー大王が東方遠征の足跡を残した歴史の道でもあります。落石や道路の崩壊に注意を払いながら進む危険と隣り合わせの過酷な道ですが、しかしその一方で、美しく雄大な自然に圧倒されっぱなしの魅力溢れるシルクロードの本髄を満喫することができます。写真は1999年9月に撮影したものです。


モーアール(莫爾)仏塔

 カシュガルは中央アジアと中国を結ぶシルクロードの要衝として栄えてきた町です。多くの民族や文化が行き交い、仏教もこの地を通って東方に伝わっていきました。町の郊外にあるモーアール(莫爾)仏塔は、中国最西端に残る唐代の仏教遺跡です。

パミール高原

 カシュガルから約100km進んだパキスタンへの道。ここはパミール高原の標高3200mの地点で、土石流による悪路のためマイクロバスからの下車を余儀なくされました。真っ青な空と真っ白な雪を抱いた山が眩しいほどに光り輝いています。

カラクリ湖

 カシュガルから約200km、標高3600mにある湖です。エメラルドグリーンの湖面の向こうに、パミール高原で一番高い山コングール山(7719m)が眺められます。このあたりではキルギス族の人たちが遊牧生活を営んでいます。

石頭城

 カラクリ湖から85km、パミール高原にある中国で一番西にある町タシュクルガンは、漢の時代から2000年にわたって続く古い町です。タシュクルガンは突厥語で「石の城」を意味しますが、町の東の小高い丘の上には文字どおり「石頭城」(石頭は中国語で石のこと)が残っています。唐代の玄奘三蔵もインドからの帰途、ここに立ち寄ったことが文献に記されています。

クンジュラブ峠

 タシュクルガンから80km、標高4943mに位置する中国とパキスタンの国境の峠です。1986年に外国人にも開放されました。中国側の曲がりくねった道の左右ではヤクが草を食み、ナキウサギが走りまわっています。夏でも雪が舞う過酷な自然環境ですが、峠には2名のパキスタン警備兵が立っていて、気さくに記念写真に応じてくれます。
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