シルクロード写真館 (ジュンガル・アルタイ編)
 中国新疆ウイグル自治区にあるジュンガル盆地は,南を天山山脈,北をアルタイ山脈に挟まれ,盆地内には中国で2番目に大きいグルバンテュンギュト沙漠があります。太古には湖だったこともあり,かつて湖畔は動物の楽園でした。そのため恐竜などの化石が発見されています。近年地下資源開発が進み,とりわけ石油の産出には著しいものがあります。
 また,アルタイ山脈は,モンゴルなどと国境をなし,古代には匈奴や突厥などの遊牧騎馬民族が勇躍したところです。そうした悠久の歴史の息吹が,今なお人々の暮らしのなかに感じられます。
 この雄大な自然と歴史の跡を,2000年8月に撮影した写真で紹介します。

天山山脈

 首都ウルムチを東に向かって走ると,右手に万年雪をいただく天山山脈のなかにボゴタ峰(5445m)が見えます。ボゴタとはモンゴル語で聖なる山を意味するそうです。天山山脈の北麓の道は天山北路と呼ばれるシルクロードです。これから時計と逆廻りにジュンガル盆地を一周します。

グルバンテュンギュト沙漠

 ウルムチから90km走ったところで道を北にとり,沙漠の中ほどに位置する火焼山に近づくと,その名が示すとおり赤茶色の台地状の長い地形が現われます。サラサラした白砂状の沙漠のイメージとはまったく違った奇景が広がっています。付近では石油や石炭の採掘も行われています。

金山の街アルタイ

 ウルムチから770km,アルタイ山脈の南麓に沿って走ると北新疆の中心都市アルタイに到着です。前方の山肌に「アルタイはあなたを歓迎します」の文字が現われます。アルタイ山脈は昔から金の産地として有名で,アルタイの地名はモンゴル語の金山(アルトゥン)に由来するそうです。

アルタイ山脈の草原

 青く澄み渡った空のもと、なだらかに続くアルタイ山脈の麓に広がる草原では,馬・羊・牛はもちろん,ラクダの放牧も見られます。アルタイ地区にはカザフ族が多く住み,そして,その多くは草原で遊牧生活を営んでいます。

ドラルトの岩刻画

 アルタイ郊外の村ドラルトやツァオアールハイなどには,古代人が描いた岩絵が残されています。鹿・羊・馬などの動物とともに,表現力豊かな狩猟や乗馬の姿も岩に刻まれています。この地が遊牧騎馬民族の故郷であったことを実感させられます。
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