シルクロード写真館 (トルコ・遺跡と自然編)

カッパドキア

 アナトリア高原の真中、エルジェイエス山麓に広がる大奇岩地帯です。数億年前に起きたエルジェイエス山の大噴火による溶岩と火山灰層が、その後の風雨などの侵食によって作り出されたものです。いつ頃から人が住み始めたのかはわかっていませんが、岩窟にはキリスト教徒のための教会堂やキリスト教壁画、地下深くつくられた地下都市など生活の跡が今も残る不思議な景観の世界です。

チャタル・フユック
      
 中部アナトリアの文化都市コンヤの南東60H、コンヤ平原にあります。チャタル・フユックとは「二股の丘」を意味し、遺跡は2つの墳丘からなる紀元前6500年から5500年にかけての新石器時代の集落址です。イギリスの考古学者メラ−トによって1961年から5年間発掘調査が行われ、狩猟場面が描かれた壁画や祭壇をはじめ、地毋神像や黒曜石で作られた鏡などの貴重な遺物が発見されました。

パムッカレ

 地中海の都市イズミルの東南250Hにある、世界遺産に登録された壮大な石灰棚が小高い台地に広がる不思議な景観です。パムッカレとは「綿の城」という意味です。台地の上から流れ落ちる石灰分を含んだ湯が長い時を経て結晶化し、台地を白く覆っています。夕日にブルーの湯をたたえた幻想的な世界ですが、現在は湯が涸れつつあるため、石灰棚に湯を流すのは夏期の日中のみに限られています。

アフロディシアス

 パムッカレの東南50Hにあるローマ帝国時代の遺跡です。紀元前82年、ローマの将軍スラが神託に応え、アフロディーテ女神に斧と金の冠を贈ったのがアフロディシアスの名の由来となっています。トルコの考古学者エリムによって1960年代から調査が始められました。アクロポリスの丘の上に残るアフロディーテ神殿をはじめ、大劇場、競技場、オデオンなどは保存状態もよく、古えの栄華を偲ばせています。

エフェス

 イズミルの南75Hにある古代都市遺跡で、古代名ではエフェソスといいます。イギリスの考古学者ウッドによって1863年に確認されて以来、各国の調査隊により今日まで発掘調査は継続されています。紀元前11世紀頃、ギリシアから移住してきたイオニア人が建設したとされるエーゲ海最大の遺跡です。1本の柱だけが残るヘレニズム時代に建てられたアルテミス神殿は古代世界の七不思議の一つに数えられています。
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