シルクロード写真館 (パキスタン・ガンダーラ仏教遺跡編)

ダルマラージカ
(タキシラ地域)

 タキシラで最も大きく、最も古い仏教寺院址です。紀元前3世紀に建てられた円形基壇をもつ、高さ約14m、直径約45mの巨大なストゥーパを中心に構成されています。ダルマラージカの名は、ダルマ・ラージャ(法の王)といわれたアショカ王が仏陀の舎利を納めるのに建立したところから付けられたとされています。

シルカップ
(タキシラ地域)
      
 紀元前2〜紀元1世紀に最も栄えた、西と北を川、南をハティアール山に囲まれたギリシア式プランをもった城壁都市です。北門から延びる大通りを進むと、中ほどに「双頭の鷲のストゥーパ」があります。大きな方形の基壇に残るアーチ状の屋根の上に止まっている双頭の鷲の姿が印象的です。(右から2番目)

ジョーリアン
(タキシラ地域)

 タキシラ遺跡群の東端、約80mの丘の上にある山岳寺院址です。頂上からタキシラの町が一望できます。南の塔院の中央に主ストゥーパがあり、周囲に約20基の奉献ストゥーパがあります。塔院の東側にある僧院の周壁には29室の僧房が並んでいますが、かつて作家の井上靖はその一室に入って胡座をかいてみたそうです。

モーラー・モラードゥ
(タキシラ地域)

 ジョーリアンの西1.5km、同じ峰続きの山あいにひっそりと建っています。大小2つのストゥーパと僧院からなる寺院址は、2〜5世紀のものとされています。大ストゥーパの基壇は縦20m、横18m、高さ4.6mもあり、壁面に装飾されたストゥッコの仏像は泥砂に埋まっていたため保存がよく、一部はタキシラ博物館に移されています。

マニキャラの大塔
(タキシラ地域)

 首都イスラマバードの南東約25km、ガンダーラ遺跡の東端に位置する、高さ約28m、直径約39mもあるストゥーパの極めつけといわれるものです。表面を覆う石積みも美しく残っています。この大塔は、『大唐西域記』にも紹介されており、イスラマバードと南のラホールを結ぶ大幹線道路沿いの平原に建つ姿は堂々としたものです。
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