シルクロード写真館 (パキスタン・ガンダーラ仏教遺跡編)

シャンカルダールのストゥーパ
(スワート地域)

 『大唐西域記』には、仏陀が涅槃の後、舎利を8国に分け、その1つをウディヤーナ国の上軍王が受けて、ここに埋納したと記されており、上軍王塔と呼ばれています。高さ約27m、直径約13m、方形の基壇部分は崩れていますが、鼓胴部と伏鉢部がよく残っている美しいストゥーパです。3〜4世紀に建てられたのものとされています。

シャホリーの磨崖仏
(スワート地域)

 スワートの中心であるミンゴラからスワート川の支流を10km行くと、山の斜面に大きな石灰岩が3つ積み重なっており、その1つに磨崖仏が刻されています。高さ約4mの仏坐像で、顔は柔和な表情をたたえ、手は禅定印を結んでいます。丸顔で全体的にふっくらした容姿は、明らかにガンダーラ様式と異なるものです。6〜7世紀の作とされています。

ブト・カラ
(スワート地域)

 ミンゴラの南を流れるジャンビル川の左岸にあります。中央に円形の大ストゥーパ、その周囲に大小約200基の奉献ストゥーパが密集しています。大ストゥーパは過去5回拡張工事が行われており、そのそばに約60cmの狛犬のようなライオンの石像が置かれているのが印象的です。紀元前3世紀に建立されたものとされています。

ニモグラム
(スワート地域)

 ミンゴラからスワート川を南下して、旧河道を北に遡った遥か山の頂きにある仏教寺院址です。不揃いな方形の囲壁のなかに、3つの大型の方形基壇が南北に整然と並んでいます。ダイアパー式と呼ばれるガンダーラ式の代表的な石組みの寺院で、スワートで最も保存状態のよい遺跡とされています。

ガレガイの磨崖仏
(スワート地域)

 ミンゴラから南に約12km下った道路沿いにある、高さ約3mの磨崖の仏坐像です。上半身は破壊されているものの、彫りは浅いが結跏趺坐して禅定印を結んでいます。ガンダーラ仏と比べると柔和な感じで、シャホリーの磨崖仏と似ています。崖の上方にも小さな仏像が浮彫りされています。
<前へ
次へ>
シルクロード紀行 文机からエッセイ 『シルクロードの謎』 TOPへ戻る≫
ALL Rights reserved,Copyright(C) 2001,S.Matsuzaki  ご意見・ご感想はこちらまで