シルクロード写真館 (中国西域南道・自然風土編)

オアシスに広がる田園風景
(ケリヤ(于田))

 ケリヤはニヤとホータンの中間に位置する小さなオアシスで、それを形成しているのがケリヤ河です。水量が比較的豊富なため、沙漠にあるとは思えないような田園地帯が広がっています。田んぼでは稲作が行われており、地元のお百姓さんの話によれば、種籾はインドから仕入れ、栽培しているそうです。

シルクロードのポプラ並木
(ホータン近郊)
      
 西域南道最大のオアシス都市ホータンの手前ではウイグル族だけの水曜バザールが開かれていました。道の両側にはポプラ並木が続いています。強い日射しを遮る木立のなかを、車や自転車とともに昔ながらのロバ車が穀物や野菜などを積んで往来しています。いかにもシルクロードらしいのどかな光景です。

墨玉河の玉探し
(ホータン)

 古来、ホータンは玉の産地として有名です。崑崙山脈から雪解け水とともに流れ落ちてきた玉石は、主にホータン市内を流れる白玉河と墨玉河で採取されます。最高の玉は羊脂玉と呼ばれる白玉です。玉探しは雪解け水の到来後が盛んですが、河原で地元の人が探している光景は普段でも見ることができます。

大道芸人の即興芸
(ホータン)

 シルクロードと言えば大道芸人の活躍の舞台でもあります。イスラム教(昔は仏教)の聖なる石窟の入口近くで破れギターを抱え、歌と踊りを交えながら演奏しているのを見かけました。歌の意味はわかりませんでしたが、大道芸人とそれを取り巻く地元の人たちの底抜けに明るい様子が直に伝わってきました。

葡萄棚の下での民族楽器演奏
(ホータン)

 西域南道で最大の音楽の都はホータンです。唐の玄奘三蔵も、「国は楽音を尚(たっと)び、人は歌舞を好む」と記しています。陽気なウイグル族の人たちはいつも民族楽器を奏で、軽やかに踊ります。月夜の葡萄棚の下で演奏されている楽器は弦楽器のドタールと打楽器のダブと呼ばれるタンバリンです。
<前へ
シルクロード紀行 文机からエッセイ 『シルクロードの謎』 TOPへ戻る≫
ALL Rights reserved,Copyright(C) 2001,S.Matsuzaki  ご意見・ご感想はこちらまで