シルクロード写真館 (中国西域南道・自然風土編)

洪水による道なき道
(チャリクリク−チャルチャン)

 山の方で雨が降るとたちまちこのありさまで、黄濁色の水の帯がいたるところに出現します。ここは沙との闘いだけではなく、水との闘いでもあります。炎天下のなかで労働者が折角舗装しても、一瞬のうちに道路が陥没したり、流されたりするのですから、西域南道が西域難道と言われる所以でしょう。

バザールの漢方薬売り
(チャルチャン)

 小さなオアシスの町チャルチャンのバザールの一角です。人通りの少ない昼下がりのバザールには色とりどりの布地や食料品、雑貨品が並んでいました。とりわけ興味を惹いたのは、乾燥したヘビがたくさん吊るされていた漢方薬らしきものを売っているこの店先でした。いかにも西域らしい風景です。

胡楊樹とラクダ
(チャルチャン−ニヤ(民豊))

 車が柔らかな砂地の道に入っていくと、胡楊樹の林がありました。胡楊は沙漠における主要な木材として利用されています。また、胡楊は一本の木に柳や柏のような五種類の異なる形の葉をつけるのが特徴です。その葉をラクダは好んで食べます。ここで見られるのは放牧されたフタコブラクダのようです。

タクラマカン沙漠を縦断する沙漠公路
(ニヤ郊外)

 タリム盆地に眠る石油や天然ガスなどの地下資源採掘を目的に建設された、タクラマカン沙漠の真中を南北に縦断する沙漠ハイウェイです。北の輪台と南のニヤとの全長522キロ(沙漠内446キロ)が完成したのは1995年でした。しかし、砂防対策など保守管理は自然の猛威の前にままならないようです。

果てしない沙の海・タクラマカン沙漠
(ニヤの北方約40キロ)

 タクラマカンは、「入ると出られない地」、「死の海」などと解釈されていますが、現地のウイグル人ガイドによりますと、そんな恐ろしいものではなく、「広い空間の下」という意味だそうです。果てしなく続く砂丘の一つひとつに美しい風紋が見られます。時間と空間を超越した夢のような世界です。
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