シルクロード写真館 (中国西域南道・遺跡編)

且末(チェルチェン)故城

 チェルチェンから西南6kmにある遺跡です。漢代から魏晋期にかけての城と推測され、ライリラク遺址とも称されています。遺跡は北・中・南に3区分され、北区は東西500mに及ぶ広大なものです。地表には陶片が散乱しています。中区にある水路跡は、旧チェルチェン川の河床とされています。

ヨートカン(約特干)遺跡
      
 ホータン(和田)の西約10kmにある遺跡で、3〜8世紀の于闐(うてん)国の都城址と推測されています。遺跡は重要保護区に指定され、陶器、玉、金製品などが発見されていますが、ほとんどが未調査の状態です。現在、周辺は畑や果樹園になっており、土の小山が残存するのみです。

ヨートカン遺跡出土の陶器

 地面を少し掘ると、今も肌目の細かい、動物や人の顔をした優美な形象陶器や古銭などが見つかります。これもウイグル族の子どもが観光客に売るために掘り出したものです。しかし、同行のホータン博物館の研究員に盗掘してはいけないと叱られたうえ、その場で即没収されてしまいました。

クカマリム窟

 ホータンの西南約12km、墨玉河畔にそそり立つゴーシリンガ山(唐では牛角山)の岩壁にある石窟です。玄奘三蔵の『大唐西域記』に記された仏教の聖地とされたところで、急な梯子を上って内部に入ると祠があります。今はイスラム教の信仰の場となっており、多くの巡礼者が訪れています。

マルカワト(瑪利克瓦特)古城

 ホータンの南約25km、白玉河の西岸にある漢代から唐代にかけての遺跡で、于闐(うてん)国の西の砦だったと考えられています。東西740m、南北1500mの広大な遺跡ですが、今は日干しレンガで築かれた城壁と住居の崩壊跡が見られるのみです。しかし、往時の栄枯盛衰が偲ばれます。
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